キーブーの半径1km日常

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zoom RSS 日本に生まれて、よかったなあ(~_~;)

<<   作成日時 : 2011/10/04 20:35   >>

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ずっと以前に、「重いテーマのわりに、爽快な読後感でした♪」というタイトルで、
『チャイルド44』という本の紹介をしたことがありました。

今回紹介する『グラーグ57』は、それの続編ということになります。


『チャイルド44』から続くあらすじは、できれば上にリンクを貼った記事をお読み
いただけるとわかりやすいかと思うのですが。

ざっと紹介してみますと。


主人公のレオ・デミドフは、旧ソビエトの秘密警察の捜査官。

エリートコースを歩む彼は、美しくて聡明な妻ライーサとともに順風満帆な生活
を送っていたのですが。

ある事件をきっかけにして人生の歯車が狂い始め、エリートコースから大きく
はずれて地方へ左遷された上に、いつ逮捕されてもおかしくない状況に
追い込まれます。

そんななかで、純粋に恋愛結婚をして得たと思っていた妻は、実は彼の身分
を恐れるがゆえに、逃れられない運命と諦めて彼と結婚生活を送っていただけ
だということもわかってくるのですね。

八方ふさがりの中、左遷された先で連続児童殺害事件が起きていることに
気付いたレオは、これ以上子どもたちを犠牲にしたくない思いで、明日をも知れ
ぬ自分の事はさておいて、必死に捜査をするのですが。

その過程で、妻ともきちんと向き合い、互いの過去や思いを打ち明け合って、
初めて名実ともに夫婦となり、苦境を乗り越えて、ともにモスクワへの帰還を
果たします。


以上が、前作の『チャイルド44』のあらすじですが。


今回の『グラーグ57』では、レオは秘密警察からは足を洗って、殺人課の
捜査官になっています。

基本、社会主義国では、殺人及び犯罪と言うのは皆無に等しいということに
なっています。

何故なら、それらは悪しき資本主義の副産物であるからで、人民が飢えること
がないユートピアである社会主義国では、それらの犯罪は起こるはずがない
からだ、というのが政府の言い分なのですね(~_~;)

なので、殺人課というのもおおやけにはなっておらず、彼のオフィスもパン屋の
上の階にある粗末なものなのですが。

それでも、密告やそれにもとづいた逮捕・拷問に関わらずに済むだけで、
レオは満足なのですね。



この秘密警察の仕事といったらもう、恐ろしさを越えて滑稽ですらあります。

どこかから密告があったらすぐに逮捕に向かい、拷問を加えて自白を引き出し、
収容所送りにするだけの仕事。

その密告がでっちあげであろうがなかろうが、そんなことは問題にもされないし、
捜査官自身、自分のキャリアのために同僚や親族を密告したりもします。

レオはそのなかでもまだ良心的な捜査官だったために足元を掬われたわけ
ですね。

なので、特権階級であるその身分に戻れるはずのところを辞退して、
冷や飯食いの仕事ながら、まっすぐに暮らせる今の職を選んだのですね。


そのうえ、前作で両親を秘密警察に目の前で銃殺されて孤児になった姉妹を、
養子として迎え入れたりもしています。

妹のエレナの方はまだ幼かったこともあって、心の傷もレオ夫妻の愛情で
癒え、夫妻に馴染んでもきているのですが。

問題は姉娘のゾーヤの方。

14歳になる彼女は、いくら優しくされても、いい環境を与えられても、それを
享受することは亡くなった両親に対する裏切りとしか思えずに、ひとり苦しんで
いるのですね。

眠れぬ夜には、ナイフを持ってレオを殺しに、寝室に忍び込んだりもします。


そんな危うい均衡の上に成り立っていた家族に、また新たな試練が。


今は生まれ変わった気持ちでまっすぐに生活しているレオですが、それでも
消せない彼の過去が、追いかけてくるのですね。


前作から登場している同僚ネステロフが、今回も力になってくれるのですが。

血の繋がっている身内ですら信頼できないこの国で、レオとネステロフは強い
信頼関係で結びついています。


レオは危機的状況を、今回も乗り越えることができるのか。

ゾーヤの信頼を得て、家族として再びみんなで一緒に暮らせる日は来るのか。



この作品、読み始めるともう、のめりこんでしまうほどのおもしろさでした(*^_^*)

一気に読むともったいないので、途中で何度か本を置き、違う本を読んだりも
しましたが(笑)

やっぱりその後の展開が気になって、違う本には集中できませんでした(^^ゞ

興味のある方はぜひ、前作の『チャイルド44』からどうぞ。



ちなみに。

この『グラーグ57』は、もう2年も前に出ていて、このあとの続編も
『エージェント6』というタイトルですでに出版されております。

私はもう、この『エージェント6』も図書館で予約を入れてますが。

きっと、長く待つことになるんだろうなあ(~_~;)




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「エージェント6」
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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
 『チャイルド44』とはまたちょっと違って、冒険モノの面白さがありますね(~_~)。
 次の『エージェント6』も楽しんでください(^^ゞ。
遊哉
2011/10/05 00:16
タイトルの意味がわかりました。
いろんなありがたさが身にしみる秋です
なおみん
2011/10/05 12:54
遊哉さん、こんにちは
『チャイルド44』よりも、こちらのほうがおもしろく感じました。レオとライーサに馴染みができていたからかもしれません(笑)
この『グラーグ57』を読んだのは、遊哉さんの記事で『エージェント6』が紹介されていたからなんですよ。そうじゃなかったら、読まないまま忘れていたでしょうね^^;
『エージェント6』、今から楽しみです(^o^)
キーブー
2011/10/05 16:26
なおみんさん、こんにちは
ぷぷっ(=^・^=)
ほんとですね。いろんなありがたさが身にしみる秋
昨日から肌掛け布団を出して寝てますが、ホントあったかかったです。1枚重ねるだけでこんなに快適に安眠できるとは。。。(笑)
キーブー
2011/10/05 16:29
数字はどういう意味を含んでるんだろう??と数字ばかり気になってしまいました(^^;)旧ソビエトってだけで何もかもが吹き荒ぶ様なイメージが湧いてしまいます。寒いから?(笑)
miyo
2011/10/05 18:42
こんばんは
ウ〜ム・・毎回上手い解説
もう読んだ気分ですf^^;
面白そうだなぁ・・これ・・
ただチャン
2011/10/05 19:31
わかりますよ〜読みたいけど読み終わりたくない気持ち。
解説を読んでるうちに頭の中で映画化してしまいましたww
レオ役は誰に?ハマりそうです。
ひまわり
2011/10/05 20:57
miyoさん、こんばんは
グラーグというのは、ソ連の強制収容所のことなんですよね。それに番号がふってあるということですね
たしかに寒いから、風も吹き荒んでるだろうけど、それだけじゃないよね。
密告&逮捕&拷問&収容所送り。パンを買うにも並んだりとか。それらすべてが吹き荒れ、人々を荒ませているのですね。。。
キーブー
2011/10/05 22:41
ただチャンさん、こんばんは
ありがとうございます(*^_^*)
これ、おもしろいですよ〜♪
男性ウケがよさそうな作品でもあるし。
レオが、これ以上ないような苦境から、歯を食いしばって這い上がり、その後も家族を守るために身の危険を厭わないところなど、ほんとうに共感を覚えました。
いいなあ、こんな旦那さん
キーブー
2011/10/05 22:45
ひまわりさん、こんばんは
ほんとにおもしろい本って、読み終わるのがとても残念ですよね(^^ゞ
私も、頭の中で映像にして読んでました
配役・・・考えたんですが、これといってぴったりな人が浮かびませんでしたね
でもレオは、黒髪の、キリッとした顔立ちのヒトに演じてほしいなあ(*^_^*)
キーブー
2011/10/05 22:49
キーブーさん、相変わらず紹介上手ですね〜
2作ともに最高に面白かったですね!
「エージェント6」があるんですね。
知りませんでした。絶対、読みます。
みいな
2011/10/06 19:18
エージェント6、遊哉さんのブログで知って、モウ買っちゃいました。meimeiさんはとうに読み終わっちゃいました。
でも、このシリーズ、やっぱり内容が怖いのですが、ひきこまれますねえ。
moumou.h53
2011/10/06 20:27
みいなさん、こんばんは
ありがとうございます(*^_^*)
この2作、ほんとうにおもしろかったですよね。
その新作として「エージェント6」が最近出たようです。私も楽しみにしてるんですが。
でも、ライーサと子どもたちにどうも災厄がふりかかりそうなんですよね。読む前からハラハラしている私。。。(~_~;)
キーブー
2011/10/06 23:51
moumou.h53さん、こんばんは
おっ、moumou.h53さんのところはmou購入済みでしたか〜♪
meimeiさんの感想、ぜひお聞きしたいなあ(^^)
社会主義国の深い闇が、ほんとうに怖いですよね。でもここまで来たらmou、「エージェント6」を読まずにはいられない私です(^^ゞ
キーブー
2011/10/06 23:55

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