解放の日に向けて・・・

今日もいい天気。読書日和ですね

ということで。

中島梓「ガン病棟のピーターラビット」を読み

ました。


著者はご存じ、「グインサーガ」や「魔界水滸伝」、伊集院大介シリーズ

などの作品のある栗本薫と同一人物。


「グインサーガ」はたしか今は126巻目がでてるんじゃないのかな。

これは私も100巻目くらいまでは愛読してたんだけど、最近は主に

書店で立ち読みして粗筋だけを追ってる感じです(^^ゞ


私が彼女を知ったのは、中学時代からの親友が彼女の作品をよく

読んでいたから。


すすめられて最初に読んだのは「真夜中の天使」。

カリスマアイドルである少年 良 と、マネージャーと作曲家の二人の男

との三角関係を軸にした小説でした。

その手の本をあまり読んだことのなかった私は、耽美的でショッキングな

内容に驚いたけど、こういう世界を描いた小説もあるんだなと目の前が

開けた感じがしたことをよく覚えています。

その後は「魔界水滸伝」を、新刊を心待ちにして読んでました。

これは20巻で止まってしまい、長い間続きが出てないんだけど。

「新 魔界水滸伝」というのが出てるみたい。

読んでみなくちゃ。


その彼女が、すい臓ガンになったという。

もっともかなり前に乳ガンで手術も受けているのだけど、今回はすい臓で、

しかも後書きにも書かれているように、術後に肝臓にまで転移が発見されて、

今は化学療法を受けているのだという。


「ガン病棟のピーターラビット」は、その闘病記というか発病から現在までの

軌跡なのだけど、著者の気持ちを綴った部分など重複しているなと思うような

ところもあり、それがまた重病をいきなり宣告されてすぐ手術を受けて管に

繋がれた病人となった著者の混乱を如実に現しているようで真に迫る感じ

がしました。


著者も書いている通り、人はみないつかは死ぬわけで、例えば余命1ヵ月と

宣告された知人を気の毒がってた人が翌日交通事故で死ぬかもしれないの

だし、その点はある意味平等なのだけど。

とはいっても、死ぬのが決まってたって、それが「いつ」かわからないから人は

のん気に生きていけるわけで、来年の春ごろ、とか言われた日にはたちまち

心安らかには生きていけなくなるでしょう。


それもある程度やるべきことをやり遂げ、周りの人たちの中にも鬼籍に入って

しまった人の方が多い、などどいうような年齢の人と、まだ若くてこれから、と

いう年齢の人とでもまた心境には大きな違いがあるのだろうし。

彼女はまだ50代だし、ライフワークの「グインサーガ」もまだ完結していない。

やりたいことや書きたいことが山ほどあるわけで。

うーん。

キツイなあ・・・。

その反面、「死」は確かに解放でもあるわけで、佐野洋子などは著書である

「役に立たない日々」のなかで、余命2年と言われてから長年のウツが治り、

ジャガーを買いに行った、などと書いているのも彼女らしくて頷ける感じがする。

人それぞれなんだなぁ。


中島梓が今回書いているなかで、以前に飼ってたザリガニの生態に

触れていて、

「ザリガニとは、身綺麗な生き物でしょっちゅう体の掃除をしている。

そしてその間はとても元気。だけど弱ってくると体から苔が生えてきたり

してそのうち動かなくなって死んでしまう。

だから自分も身綺麗にして、ICUでもマユをひいていた。それができなくなった

ら終わりだから」

とあって、心が痛くなりました。


それでも最後に彼女は、「ガンになってよかった」とも書いています。

生きていることが当り前のことじゃなく、とても芳醇な、色濃い、めまいのする

ほど素晴らしいことになったから、と。

そして書いている作品がいつ完結するか、あるいは未完のままで終わるかは

栗本薫風に言えば「ヤーンのみ手」におまかせしたいと。



私としては、ヤーンに、彼女にできるだけたくさんの時間をあげてとお願い

したい。もっと彼女の作品を読みたいし、グインが未完のままになってしまう

なんて考えられないから。

・・・なんて、明日をも知れないという点ではまったく彼女と同じ自分がそんな

ことを考えるのも不遜で滑稽なことなのでしょうね


タイムリミットがいつ来るのかわからないけど、その間を後悔のないように

大切に生きる。



言い古されて陳腐にすら聞こえてしまう言葉だけど、これに尽きるように

思いました。


心して毎日を過ごしていかないと。

それでも、いざとなったらジタバタしてしまって、もういいと心から言える

状態などというのはないのだろうけど。


せめて、「やるだけのことはとりあえずやれたから」と笑顔で席を

立てるように。 











 

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この記事へのコメント

2009年05月14日 19:59
病物は 手出さない ドンナニ明るく描かれても ダメ ひたすら 怖い 
2009年05月14日 21:31
 中島梓さんは、もう30年くらい前にわりとテレビに出ていたし、エッセイを読んで面白い女性だと思っていましたが、栗本薫と同一人物とは知りませんでした(^^ゞ。ガンだとは聞いたことがありますが、だいぶ悪いんですね。
 この本は、そうとう重いものがありそうですが、佐野洋子さんの「役に立たない日々」と通じるものがありそうですね。
 死を意識(覚悟)することで、生きていることが輝かしいと感じられるというのは、ある意味すばらしいし羨ましいしと思えます。
 誰でもタイムリミットはありますが、“その間を後悔のないように大切に生きる”というのは難しい。もうすでに、後悔だらけです(^^ゞ。
2009年05月14日 22:20
seiziさん、こんばんは
私も同じですね。闘病ものは一切読みません。どれだけ評判になってても
今回は栗本薫のエッセイということでそれに惹かれて読んだんですけどね。えらいことになってました
2009年05月14日 22:51
遊哉さん、こんばんは
よくクイズ番組とかに出てましたよね。土井まさる司会のとか(*^_^*)
本の内容自体は、著者が冷静に事態を受け止めてるのでそんなに深刻でもなく重くもありませんが、ただ自身で言ってるとおり、まだやりたいことが山積みだとのこと。それを考えるとやっぱ重い内容なんですよね・・・。
、“その間を後悔のないように大切に生きる”というのはもちろん、「今から、ここから」(相田みつをの言葉みたいだけど)ということです。
今までのぶんは度外視で(笑)
だって、もうすでに後悔だらけ、というのはみんな多かれ少なかれそうだと思うし、その後悔の量が多いから後は消化試合みたいな人生しかないよ、なんてことになったら生きてる甲斐もなくなりそうで
なので。明日からのことです。大丈夫です。遊哉さんも私も(笑)
長くなるので、後に続けます。
2009年05月14日 22:52
続きです。
佐野洋子さんの本は、遊哉さんが以前に紹介されてましたよね。あの後読んだんですが、吹っ切れてて痛快でしたね。
あの境地にたどり着くまでにはいろいろあったのだろうなとは思うけど。でも、ただの強がりではない芯の強さを感じました。彼女にとっては、やっぱり解放の意味合いが大きかったんでしょうか。すごいなと思いました(*^_^*)
りぃー子
2009年05月16日 16:28
佐野洋子さん「役に立たない日々」
今まで全然知らなかった作家さんです。
早速読んでみようと思います♪

>生きていることが当り前のことじゃなく、とても芳醇な、色濃い、めまいのするほど素晴らしいこと

うーん!!全くその通りですね。
生きて手当たり前だと思うと、
気が付かないでいるんだな~
もったいないですよね。
2009年05月16日 20:16
りぃー子さん、こんばんは
佐野洋子さんの「役に立たない日々」は、コメントも下さってる遊哉さんのブログで紹介されていたものです。
図書館で予約したらなんと95番目でした
本棚がすぐ溢れちゃうし、ハードカバーは高いから文庫本以外はなるべく買わないようにしてるので、文庫になったら買い直そうと思ってます。痛快な本でしたよ(^^♪
人生は限られているのだから、毎日を大切にしないといけない。・・・わかっちゃいるけど、ついつい忘れてしまうんですよね(~_~;)

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