「愛人百科」

図書館でちょっと異色の本を見つけました

ドーン・B・ソーヴァ著 「愛人百科

歴史上に名前の残る有名人の、愛人たちの足跡が簡潔に記されているのだ
けど、立場はいろいろで、単に日蔭者の愛人というだけではなく、英国王室に
よくあるような、公然と国王の愛人でありながられっきとした貴族の奥方で
あったりする場合もあり、なかなかに複雑で面白かったです。


印象に残った人を挙げてみると。


ジェニー・ジェローム、ランドルフ・チャーチル夫人

相手:エドワード7世  アンドレアス・キンスキー伯爵

ご存じウィンストン・チャーチルの母ですね。
夫のランドルフは同性愛者で、しかも大学時代に売春婦から梅毒を移されて
いたため、ジェニーは早くから社交生活に生きがいを見出していたのですね。
そこでエドワード7世と出会い、戴冠式にも招待されて、特別席を割り当てられ
ていたとのこと。
彼女はまた、部屋に入って行くだけで注目されるような存在だったため、ゴシップ紙
に、『かっぱらいのレディ・ジェーン』などと書かれたこともあったようです。
29歳のときには4歳下のキンスキー伯爵と出会っているのだけど、これは遊び
ではなく、彼はとても誠実だったとか。
当時、夫のランドルフは梅毒の第3期に進んでいて、脳が冒され始めていたため、
キンスキー伯爵は少年ウィンストンの親友となり、のちには父親代わりもつとめた
そうな。
でも彼女は結局彼のプロポーズを蹴って、違う人と再婚するんですよね。

のちにウィンストン・チャーチルは、「自分が偉大なことを成し遂げられたとしたら、
それは母のおかげである」と語っているそうです。

幸せな人だなあ(*^_^*)



テレーズ・ルヴァスール
相手:思想家ジャン=ジャック・ルソー

かの有名なルソーの愛人テレーズは、なんと読み書きもできなかったらしく、
彼と知り合う前は下宿屋で給仕と洗濯をして働いていたそうです。
でも彼女は23歳から35年間ものあいだ、内縁の妻、看護婦、家政婦として
この偉大な哲学者に仕えたのですね。
しかしそれでも、彼女がルソーや友人たちと同じテーブルにつくことは禁じられ
ていたとのこと。

また、二人の間には5人の子どもが生まれているのですが、ルソーの命令で
全員を孤児院に置き去りにしたのだそうな
しかも彼は、結婚式のまねごとはしたけれども決して正式に結婚しようとは
しなかったそうです。
彼女はルソーが亡くなってからはある侯爵の従僕と結婚したけれど、その後の
消息は不明だとか。

なんだかなあ。彼女、幸せだったのかなあ



それ以外にも、告白本を出版したりして相手を失脚させる愛人もいれば、妻公認
で尽くすだけ尽くして感謝されて人生を終えたような愛人もあり、千差万別ですね。

でも読んでいて思ったのは、愛人というのは生半可な気持ちではやっていけ
ない、厳しいものだということ。
大抵の女性がその不安定な身分のために苦労しているし、身も心もボロボロ
になってしまった人も多いし。

特にまた、相手が歴史的な有名人ともなれば余計に立場も難しくなってくるん
でしょうね。
相手の男性も、最初は誠実でも年月が経ってくるとやっぱり自分の社会的地位
の方が大切になってきたりして、結局、愛人の末路はかなり悲惨なものに
なってしまったり

面白かったけど、読んでるだけで疲れましたね。

私はやっぱ、あっさりさっぱり、ひとりでいいわ、とつくづく思ったことで
ありました(爆)




愛人百科 (文春文庫)
文藝春秋
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この記事へのコメント

2009年10月07日 21:05
 面白そうな本を読みましたね(^^ゞ。
 時代背景もあるだろうし、その人の社会的地位もあるでしょうが、愛人とは“生半可”ではできそうもないですね。覚悟と逞しさが必要そうです。
 バカ親父は、一人でも持て余し気味だから、愛人はいりません(~_~)。
2009年10月07日 23:40
遊哉さん、こんばんは
はい、ちょっと毛色の変わった面白本でした
こういう不安定な立場で一生暮らしていくのは、かなりの覚悟が要りますよね。それと、自分で納得してしっかりした気持ちを持ってないと、後々相手を恨むことにもなったりするでしょうし。
でも、歴史的有名人の愛人ともなると、みんなけっこう逞しかったみたいですけどね(~_~;)
男の人の側も、愛人を持つとなるといろんな意味でたいへんでしょうね。面倒なことも多くなるし。平和が一番ですよね(爆)
2009年10月08日 09:14
なかなか興味深い題名です。
文字だけ見ると 愛人という響きは
なんとなくひ弱な感じがしますが
実際は 逞しくなくちゃできないんでしょうね。
基本的に 人のものに手を出すようなことには
反対ですが「愛人でも良い」と思えるような
男性にめぐり会いたかったかも・・
って思うのは秋だからかな。
2009年10月08日 16:02
みいなさん、こんにちは
>「愛人でも良い」と思えるような男性にめぐり会いたかったかも・・
そう、秋だからそう思うのかもしれませんね
この本に出てくる相手方の男性たちは、大抵がひとりではなく、複数の愛人を持ってるんですよ
大富豪から不遇の芸術家のような人まで、経済力の有無にかかわらずほとんどがそんな感じでしたね。
どんなに優れた男性でも、自分ひとりならともかく、大勢いる愛人の中の一人にはなりたくないですよね

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