「歩くウソ発見機」が妻や母親だったら。。。(^^ゞ



以前、このブログで「リンカーン・ライム、最高!!」という記事を書かせて
いただき、そのなかでジェフリー・ディーヴァー作の「ウォッチメイカー」という
作品を紹介させていただいたことがありました。

これは映画「ボーン・コレクター」でデンゼル・ワシントンが演じて話題になった、
四肢マヒの捜査官、リンカーン・ライムのシリーズの第7作目だったのですが。

その作品の中で脇役として出ていたキャサリン・ダンスという捜査官が今回
紹介させていただく本の主役です。


ジェフリー・ディーヴァー 著  「スリーピング・ドール」


じつはこの本を手にとったとき、リンカーン・ライムのシリーズだと勘違いをして
いたんですよね(^^ゞ

読み進むうちにいっこうにライムが出てこなくておかしいなあと思ううち、テロ
の犯人が残した遺留物の酸の種類を訊くのにダンスがライムに電話をかける
ところでやっとライム登場

結局その酸はテロに使われる劇薬などではなく、たんに料理用のビネガーで
あることをライムが指摘するのですが。

彼の登場はこれだけ

ふたりで電話でウォッチメイカー事件のときの思い出話を語るシーンなど
ありましたが、それっきり彼はでてきませんでしたね。


そう、これはいわゆるスピンオフの作品だったというわけ


といっても、がっかりしたわけではなく、前回は脇役に過ぎなかったキャサリン・
ダンスの魅力が随所で発揮されていて、目が離せなくなっていましたね

まず、ふたりの子どもを持つシングルマザーであるというところに親近感を
持ったし、仕事が忙しいので家事で省略できるものは罪悪感なく省略している
ところも笑いを誘う感じで好感が持てました。


別の犯罪捜査シリーズの「検屍官」という作品の主役のケイ・スカーペッタなぞ
は検屍の仕事を終え、夜中に帰宅してすぐキッチンに入り、粉から練ってパスタ
を作ったりしてたし

これもおもしろい作品で、シリーズすべて夢中で読みましたが、それにしても
スカーペッタはどこまで優等生なんだろ、とちょっと背筋が寒くなったもんです(笑)



話が逸れましたね(^^ゞ


それにひきかえ、キャサリン・ダンスは料理はほとんどテイクアウトもの。

でも子どもたちと過ごす時間はできるだけ取るようにしていて、職場の同僚の
捜査官たちとも子どもたちは仲が良かったりするんですよね。


でも、等身大のシングルマザーの彼女と自分を重ね合わせられるのは
ここまで。


彼女は犯罪捜査におけるキネシクスのエキスパートなのですね。

キネシクスというのは、容疑者や証人のボディランゲージや言葉遣いなどを
観察して分析する科学のこと。

彼らの供述が真実であるか否か、ウソが含まれているならどの部分がそうで
あるのかを見極め、その情報を持って捜査戦略の立案を支援するのですね。


ここで重要なのは、キネシクスはあくまでも科学であるということです。

いわゆる“ベテラン捜査官の勘”などというような曖昧なものではなく、まずは
尋問する当事者と当たり障りのない会話をして、その人の言動のベースライン
をつかみ、話の核心に至ったところでそのベースラインから逸脱するような
目立った動き、例えば質問に答えるのに微妙に間があくとか、目をそらす、
あるいは質問を質問で返してくるなどといったようなことを頭の中で分析しなが
ら尋問をし、当事者が真実を語っているか否かを判断するのですね。

ウォッチメイカー事件で初めてキャサリン・ダンスと会ったライムも、最初のうち
はキネシクスをさほど評価していなかったのですが、最後のほうでは自身の
科学捜査と匹敵するくらいの価値をキネシクスに認め、感服していたし。



今回、ダンス捜査官は服役中のカルトのリーダーの男を少し尋問しただけで
彼が脱走計画を練っていることに気づいたのですが、タッチの差で脱走されて
しまうのですね。

その後も、脱走犯が舌を巻くくらい、次々と彼の計画を暴いて脅威となり、
しまいにはこの狂信者はダンス捜査官の家族にまで手を出そうとするの
ですね


あと、題名の「スリーピング・ドール」とは、この脱走犯がそもそも服役すること
になった強盗事件の生き残りの被害者のことで、当時、両親と兄、姉を殺され
ながらもまだ幼かった少女は2階で寝ていて助かった、という事件があったの
ですが、その女の子のことなのですね。

この子も年月を経てもう17歳になり、叔母夫婦に真綿ぐるみで大切に育てら
れていて、叔母は彼女が事件とかかわるのをいっさい阻止していたのですが、
今回、事件のリーダーが脱走したということで、彼女はダンス捜査官の依頼を
受け、もういちど当時のことを語って捜査に協力する決心をするのですね。


はたして、脱走したカルトのリーダーを捕まえることはできるのか。

鍵を握るスリーピング・ドールから、ダンス捜査官はうまく情報を引き出すこと
ができるのか。


結果は読んでのお楽しみですが。


ちなみにキャサリン・ダンスは同僚から「歩くウソ発見機」と呼ばれて
いましたね


彼女自身、息子のティーンエイジャーのウェスが友だちに、
「母親が警察官なんて、最低だぜ」
と話しているのを聞いたことがあるし、子どもたちの言動もちょっと注意して
見ていたら、彼らの気持ちが手に取るようにわかってしまうのですね。

なんだか、怖いですね(笑)


キャサリン・ダンスは快活で魅力的な女性のようだし、独身なのでデートなども
楽しんだりしているようでしたが。


相手の人は、ウソつけないよなあ(^^ゞ




スリーピング・ドール
文藝春秋
ジェフリー ディーヴァー

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この記事へのコメント

2010年06月22日 22:40
キネシクスってちょっと興味アリ。
こういう洞察力、誰にでもあると思うのですが、
これが科学っていうのが面白そう!
2010年06月22日 23:21
なおみんさん、こんばんは
キネシクスを駆使して尋問するキャサリン・ダンスはカッコよかったです(*^_^*)
そう、これは勘などとは無縁の、論理的な科学なんだそうです。興味ありますよね~
ただチャン
2010年06月23日 09:19
おはようございます
ボーン・コレクター観ましたよ(^O^)
デンゼル・ワシントンはとても好きな俳優さんです。
この時の女性捜査官が‥
あの‥ほら‥
唇がポチャっとして‥
アクションもこなす‥
孤児も引き取った‥
汗汗汗
出て来なぁ~い!

ン?なんの話でしたっけ??
2010年06月23日 09:56
松岡 圭祐の「千里眼」シリーズを思い出します。
捜査に心理学を応用してましたよね。

これも面白そう~。
前から読んでみたい作家さんでした。
是非 リンカーン・ライムシリーズの最初から
読んでみたいです。
しっかし、世の中に面白い本は無尽蔵にあるもの
ですねえ。時間がいくらあっても足りませんね。
ボーン・コレクターはレンタルで見ました。
面白い映画でしたね。
2010年06月23日 16:24
 この本面白そうですね。今まで、アメリカのミステリなどで「心理分析官」という言葉は見たことあるけど、キネシクスというのははじめて見ました。同じなんでしょうね。
 「歩くウソ発見機」が妻や母親だったら……おちおち寝てられない(^^ゞ。
2010年06月23日 16:51
私が見たのは「コレクター」のほうでした。
モーガン・フリーマン主演だし・・。

「ボーン・コレクター」がシリーズの
第一作目だったのですね。ハマりそう~
2010年06月23日 18:16
ただチャンさん、こんばんは
「ボーン・コレクター」をご覧になったのですね。デンゼル・ワシントンの迫真の演技がよかったですよね(*^_^*)
女性捜査官・・・アメリア・サックスですね?
はい、彼女を演じていた女優さんですよね。
孤児をひきとり・・・
ブラピと結婚し・・・
双子を生んだ・・・

はい、そうです、アンジェリーナ・ジョリーですよね♪
彼女も「ボーン・コレクター」で好演してましたよね。四肢マヒのライムの手足となり、彼と無線で話しながら鑑識操作をする姿が印象的でした。
2010年06月23日 18:21
みいなさん、こんばんは
松岡 圭祐の「千里眼」というのは、読んだことないですねえ。こういうタイプの小説の日本のものってそういえばあまり読んでないかも(^^ゞ
リンカーン・ライムのシリーズはお勧めです♪
第1作目の「ボーン・コレクター」は、映画と小説では犯人が違うので、どちらも楽しめますよ
ほんとうに、おもしろい本は無尽蔵ですよね。生きている間に読めるだけ読みたいです(笑)
2010年06月23日 18:28
遊哉さん、こんばんは
ああ、そういえば心理分析って感じですよね。たぶん同じようなことなんでしょうね。
キャサリン・ダンスって、当たりがソフトなんだけど、周りの人をさりげなく見てるんですよね(笑)
彼女の前ではウソはつけませんね。ぜったい、ムリ(^^ゞ
2010年06月23日 18:31
みいなさん、再度のお越し、歓迎いたします(*^_^*)
ああ、「コレクター」のほうでしたか。たしかオタクな主人公が蝶の収集をしてて最後は女性をさらって収集し始めるお話でしたよね?・・・違ってたりして(^^ゞ
「ボーン・コレクター」は、映画も小説もダントツおもしろいです。きっとみいなさん好みだし♪
2010年06月23日 18:36
いや~ん何この本、面白そう(笑)ついでにボーンコレクター、良いですよね♪好きです。
科学捜査が好きな私には、キネシクスは興味ありますねぇ。調べたり探求したり実験したり…そんなのが大好きなので。キネシクス…素敵。私もエキスパートになりたい(笑)でも歩く嘘発見機は言われたくないかも。
2010年06月23日 18:59
スカーペッタが主人公の『検死官』シリーズは、読んでましたが、途中からスカーペッタがスーパーマンみたいになって面白くなくなったので読まなくなりましたけど、この本は面白そうですね。
アメリカのテレビドラマの『科学捜査官CSI』シリーズ見てますか?
これは、まさに科学捜査官と検死官たちの活躍するドラマです。
2010年06月23日 22:28
miyoさん、こんばんは
「ボーン・コレクター」はおもしろかったですよね。でもその後、本は続編が出てるのに映画化がピタッと止まってしまってますよね。映画のほうもデンゼル・ワシントンで作り続けてほしいんですけどね(^^ゞ
キネシクス、興味ありますよね。社会人枠とかで大学で学べるならやってみたいくらいです。んで、ひそかに歩くウソ発見機になってやるのだ(爆)
2010年06月23日 22:33
ねこのひげさん、こんばんは
おっ、スカーペッタのシリーズを読まれてたんですね(^^♪
たしかに、最初の地味な雰囲気から、回を重ねるにつれスカーペッタがどんどん無敵になってきた感じですよね(^^ゞ
『科学捜査官CSI』って、おもしろいって噂は聞くんですが、残念ながらまだ見たことはありません。ツタヤとかに行くのも好きじゃなくて、テレビでやらない限り見る機会がないし・・・テレビでやってたのかなあ?今度気をつけてみておこう♪
2010年06月24日 04:37
キープーさん、おはよう♪
『CSI科学捜査班』シリーズは、WOWOWとテレビ東京系列でやってますよ。
ちょっとリアルすぎるところはあるけど、病院関係者だと平気かな?
仕事を離れるとそうでもないかな?
焼けただれた死体とか解剖したりするんですよ。
(~_~;)
\(◎o◎)/!
2010年06月24日 12:33
こんにちはです。
いつもみごとなストーリー紹介と感想をかかれますね。
うちではボクは分析されつくしていますので、ウソ発見器は全く不要です。
まあ、一度体験してみたいとは思いますが(^^ゞ
2010年06月24日 17:36
ねこのひげさん、再度のお越し、歓迎いたします(*^_^*)
WOWOWは、うちは見れないからなあ(T_T)でもほかでやってるなら気をつけて見ておきます
焼けただれた死体ですか。うーん・・・よーく焼けてたらまだしも、生焼けだとキツイかも(爆)
でも、実際に見るのはどうだかわかりませんが、少なくともテレビ画面で見るのはたぶん大丈夫だと思います
それにしても、ねこのひげさんは早起きでいらっしゃるんですねえ。時間を見てびっくりしました(^^ゞ
2010年06月24日 17:42
moumou.h53さん、こんにちは
わーい、moumou.h53さんに褒められちゃったあ
moumou.h53さんのブログも、お手製のかわいい動画があって、いつも楽しく拝見しております
そうですよね、たいていの奥さんは旦那さんの挙措動作を分析し尽くしてると思われます(笑)
私は体験するよりは、キネシクスを勉強して試してみたいなあ、なんて思います。自分が被検体になるのはちょっとイヤかなあ(笑)

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