アガサ・クリスティと同じ匂いがしました♪
前回の記事に書いた、明け方4時までかかって読了したというのは、この本
です(^^ゞ
G・Mマリエット著 「コージー作家の秘密の原稿」
この本、書店で見かけて、パラパラとめくってみたところ。
なんだか、ページのあいだからアガサ・クリスティの匂いが立ち上ってくるか
のよう。
おもしろそうだなと思い帯を見たところ、なんと“アガサ賞最優秀処女長編賞
受賞”とありました。
なるほど、どうりで

ということで迷いなく購入しました。
それが、去年の暮れごろのこと。
その後、例によって手持ちの図書館本に足を取られたり、フランケンシュタイン
のシリーズに首まで埋もれていたりして、この本に着手したのがやっと最近(^^ゞ
血なまぐさい殺人事件が2件も起きるにもかかわらず、全編に漂う懐かしい
雰囲気というか、古き良きイギリスのたたずまいを楽しみながら読みました

あらすじは。
富豪の老作家のサー・エイドリアンが、ある日突然 子どもたちと前妻に
結婚式の招待状を送りつけてきたところから話は始まります。
エイドリアンは老獪で、しょっちゅう遺言状を書き変えることで子どもたちを
右往左往させ、おもしろがるような人物。
しかも花嫁になる女性は再婚で、前夫が死んだときは妻である彼女が疑われ、
新聞記事にもなったという いわくつきの人物。
そんな家族全員が一同に会したとき、最初の殺人事件が起きる。。。
このエイドリアンという作家は、『サー』が付いていることからもわかるように
貴族で、名字はボークラーク=フィスクというハイフン付きの大層なお名前

作家といっても文学方面ではなくてコージー作家で、彼の作品は、ミス・ランプ
リングという女性がおなじみの町で起きる殺人事件を解決するというシリーズ
もので、この作品はベストセラーになっているという設定。
これもまた、実際にアガサ・クリスティがミス・マープルのシリーズを書いている
のとダブっていて、おもしろいですよね

でもこのサー・エイドリアン、書くものとは裏腹に冷酷で近寄りがたい人物で、
4人いる子どもたちにも父親らしい情愛をしめしたりはしないタイプ。
子どもたちも、長男と二男はお金に目がなくて冷酷だし、三男は売れない
俳優で酒浸り、末っ子の長女だけは少し毛色が違って世間知らずでピュアな
女性で、料理本を書いて生計を立てています。
一応みんな独立はしているものの、父親の遺産を大なり小なりあてにしている
のですが。
そんな子どもたちに対して、サー・エイドリアンは遺言状を書き変えるたびに、
そのときに気に入らなかった誰かを相続からはずしてみたりなどして、まるで
ロシアンルーレットのようなことをして楽しんでいるのですね。
そりゃ殺人事件のひとつふたつは起きるわな、というシチュエーションですが(笑)
案の定、ふたりの人間が殺されることとなります。
この事件の解決のために乗りだしてきたのがセント・ジャスト警部。
スキー休暇の計画がおじゃんになって、ぶうぶう言いながらの登場と
なります(笑)
そして、セント・ジャスト警部の片腕となるのは、フィア巡査部長。
警部とふたりでボークラーク=フィスク家の人たちを尋問しているときに、この
フィア巡査部長のポケットの携帯からけたたましくジングルベルの曲が鳴り
始め、慌てたフィアが、
「エマが僕の携帯を持ちだして、呼び出し音の設定を変えたんですよ。
どうやって元に戻すのかわからなくて」
とおろおろする場面があるのですが(^o^)
エマというのは彼の4歳の娘で、母親のお腹にいる赤ちゃんに嫉妬していて、
最近いたずらばかりしているのだそう。
あちこち携帯のボタンを押しているフィア巡査部長に、セント・ジャスト警部が、
「なあ、頼むから、IT部門にそれをみてもらえ」
なんてため息混じりに言うところなど、ほほえましくておもしろかったです(^^)
このセント・ジャスト警部の捜査により、サー・エイドリアンの素生や、ボークラー
ク=フィスク家のもつれた人間模様が明らかになっていきます。
さらには、20年以上前の、花嫁の前夫の殺人事件にも糸は繋がっていくの
ですね。
この作品、シリーズものになっていて、第3作まで上梓されているようなので、
続けて読んでみたいと思っています。
ただ、セント・ジャスト警部の魅力がポアロやミス・マープルほどには
際立っていなかったような気もするのですが(^^ゞ
まあでも、まだ初作だし。
次回作に期待ですね。楽しみです(*^_^*)
この記事へのコメント
いつもながら・・もう読んでしまった気分です^^
でもアガサ・クリスティも読んだ事がありませぬ
(--;
アガサ・クリスティ、読んだことがないですか~(^^ゞ
ただチャンさんは、海外ものは苦手だとおっしゃってましたもんね。
でも、クリスティはただの推理小説ではなく、人間関係などが緻密に書き込んであってとてもおもしろいですよ。あと、古き良きイギリスの雰囲気と。
お勧めです♪
ひまわりさんもクリスティのファンなんですね♪
私も、ポアロとミス・マープルが大好きです
ホームズは、あの水色の文庫を高校生の時に熱中して読んでました。(*^_^*)
昔のイギリスのクラシックな雰囲気って、なんだか読んでてとても落ち着くというか、懐かしいんですよね。イギリス人でもないのに(笑)
小学低学年の頃から
親に電気を消されていた。
今は、電気をつけっぱなして朝。
数行、読んだら爆睡している。
どっちが、いいのかな。。。
NHKでやっていた『ポアロ』と『ミスマーブル』シリーズは、小説のイメージに近くてよかったですね。
この小説は読んでませんが、いずれ読んでみますしょう。
>小学低学年の頃から親に電気を消されていた。
おんなじですね~~(^◇^)
「いいかげんにしなさい!」なんて言われて起こられてましたっけ(^^ゞ
私も、読んでるうちに眠気がさしてきて寝るパターンなんですが、これってとても幸せなことだと思います(*^_^*)
あ、でも、電気は消してから寝た方がいいかと。電気代がもったいないし(笑)
クリスティ、ねこのひげさんもファンですか~(*^_^*)
はい、NHKでやってましたよね。こちらでは夕方にやってることが多くて、ごはんの支度をしながら観てることが多かったです。ホームズもやってました
これ、処女作ということもあってさすがにクリスティの緻密さには及びませんが、でもこれはこれでおもしろかったです。次回に期待大ですね♪
いや~~私もIT部門に携帯の音直してもらいたいな~~
直木賞・芥川賞もそういうコンセプトなのかどうかは知らないけど・・・直木は、直木三十五だったかと。作家だということ以外、私もよく知らないけどね(^^ゞ
ほんとにねえ。IT部門にぴゅう太を見てもらって、こぶた2号が残したまんまのiTunesをきれいさっぱり消してもらって、もっといろいろと強化してもらって・・・やってもらいたいことがいっぱい。ああ、夢は膨らむなあ(笑)