「わたしの献立日記」




昨夜は、またログインできない状況になっていましたね(~_~;)

記事も書けないどころか、ブログの閲覧もできないし。まったくもって困った
ことでありますね


まあ、それはともかくとして。



まるで寝酒を楽しむかのように、寝しなにちびちびと読み続けていた本が、
読了いたしました

沢村貞子著 『わたしの献立日記』


女優の沢村貞子さんが昭和41年4月から大学ノート36冊にわたって
書き綴っていた献立日記と、エッセイで構成された作品です

ノートは民芸カレンダーで丁寧に表紙をくるまれ、定規を使って自分で縦線・
横線を引いたところへ、その日食べた献立が几帳面に書き込まれております。

著者の愛着が感じられますね(*^_^*)


ノートの初日と二日目を紹介してみますと。


4月22日(金)

●牛肉バタ焼き
●そら豆の白ソースあえ
●小松菜とかまぼこの煮びたし
●若布の味噌汁

4月23日(土)
●豆ご飯
●いわし丸干し
●かまぼこ
●春菊のおひたし
●大根千切りの味噌汁


“あんまりぜいたくなものを食べると今日(こんにち)さまに申し訳ない”との
著者の言葉どおり、普通の家庭のお惣菜ですね

それでも、栄養バランスはもちろんのこと、汁物の具ひとつにしても、同じ
ものが続いたりしないようにとか、洋風の献立の翌日は意識して和風の
あっさりしたものにしたりなど、細かい心遣いをしておられるのですね。


その目配りは料理だけではなく生活全般へ及んでいたのは、この人の
他のエッセイを読んでもわかるのですが。

ただ衣食住を整えるだけではなく、夫婦の暮らしをとても大切にされても
いるんですよね。

有名女優ともなれば年末年始は仕事や付き合いで忙しいのに、夫婦で旅行へ
行ったり、あるいはおせちを手作りして家でゆったり過ごしたり。


ある巨匠から大役をもらったときは、周りのプロデューサーたちに、巨匠の
家で新年に催されるパーティーに出席した方がいいと何度も注意されたにも
かかわらず。

“私たちのお正月を大切に過ごしたい”との理由で欠席したところ。

その巨匠からは、二度とお声が掛からなかったのだそうな(~_~;)


でもそれも、“約束ごとの多い世界で、自分の好きな生き方をする以上、
そのくらいのことがあるのは当たり前である”と、恬淡としておられた
ようです。



『徹子の部屋』に出演しておられた沢村貞子さんを、2度ほど観たことが
ありますが。

撮影に入ると毎日手作りの弁当持参で出勤することなどを楽しそうに
語っておられました。

司会の黒柳徹子さんも、そのおこぼれにあずかったことがあるのだとか

和服をきりりと着こなし、しゃんと背筋を伸ばしておられるその姿は、とても
素敵でカッコよかったです。



そんな彼女でしたが。

長年にわたった献立日記の筆がおかれるのは、50年連れ添った夫が
亡くなる2年前。

著者84歳のときのことでした。


平成4年
11月22日(日)晴

●ひらめのうすづくり
●うなぎのザクザク
●かぼちゃの甘煮
●おみおつけ(大根千六本)


献立日記の中で何度も見かけたお馴染みのおかずたち。

それらが記されたそのあとは空白となっており、この最後の1冊だけが、
民芸カレンダーでくるまれずに表紙が剥き出しのままになっていたそうです。


でも、この献立日記には後日談がありました。


36冊目の献立日記がこうやって終わりを告げた後。

2年後の平成6年に書かれた日記帳の中で、数行の日記の後に、突如として
また献立が記されていたのだそう。

著者86歳になっておりました。


1月5日 水曜 晴

●天麩羅(車えび、はぜ、しいたけ、さつま芋、いんげん)
●きんとん
●ほうれん草としらすの酢のもの
●おみおつけ(あさり)


1月6日 木曜 晴

●鯛のうすづくり
●天ぷらの残りの煮つけ
●春菊のごまよごし
●栗きんとん
●とろろ汁


26年間の習慣がよみがえったのか、それとも年頭に当たってまた一念発起
されたのか。

でも日記には歯の痛みがしきりに訴えられていたそうで、せっかく再開した
献立日記も、1月12日でまた途切れてしまっているのですね。

同時に日記そのものも何か月もぷつりと途絶えてしまい、不意に再開するのは
夫が体調を崩して市民病院で受診した日。

その後、かろうじて日記は切れ切れに続くのですが。

一か月後。

“恭彦死亡”と、圧の高い濃い筆跡で記されたその数日後からはもう書き込みは
なくなり、その2年後に著者も世を去るのですね。



それにしても。

時代が変わった今日になっても、この日記を読むと、彼女の矜持が伝わって
きます。

この献立日記だけで、彼女がどんな人で、何を大切に生きていたかがよく
わかるんですよね。


この本は、料理だけではなく、いろんな意味で私のお手本でありますね(*^_^*)




わたしの献立日記 (中公文庫)
中央公論新社
2012-09-21
沢村 貞子

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この記事へのコメント

ひまわり
2012年10月17日 18:42
エラーになったりダブったり
送信できなかったり
凄いトラブってますよね(~_~;)

沢村貞子さんはいつも粋に着物を
着られてましたよね。
母も読みたいと言うので早速予約しました。


2012年10月17日 21:09
これだけ献立日記を続けるのもすごいですが、献立の内容がまたすごいですね。
プロの料理人さんの献立みたいです。
うちなんか、バランス考えてないし、同じメニューが2、3日続けて出てきたりしますよ。
あっ、一緒にしたら失礼ですね。
少しは反省しなきゃ。
2012年10月17日 23:34
こんばんは。

美しい本だったと思います。著者の人となりが表れているかのような・・・・・・。

しかしウェブリってエラー多いですよね・・・。
昨日も投稿データが飛んでしまいました・・・。
2012年10月18日 01:09
毎日、違うものを食べるというのがすごい。
私なら、昨日の残り。。。
とか、書きそう
2012年10月18日 05:56
まだ、おかしいですね~

さいきんのねこのひげの献立は、スーパーの惣菜か弁当が多いですね~
ズゴック鍋がひさしぶりのじぶんで作ったおかずで・・・・(^^ゞ
2012年10月18日 12:37
UPされてますね。すごい(^^ゞ

一汁三菜をきちんと守って、毎日続ける事の大変さを感じますが、沢村さんは喜びを感じておられたんですね。
ご主人が亡くなられたと圧の濃い筆跡・・・涙がじんわり出てしまいました。
そんな素敵な本もあるんですね・・読んでみたいな
まるおお
2012年10月18日 16:19
うん 私のコメントも彼方に消えたみたいだわ
入れ直し~~♪
献立って人柄季節柄が出て好きだよ^^ ブログでもそういう淡々としたの結構愛読~~
キーブー
2012年10月18日 16:32
ひまわりさん、こんにちは
ここのところ、ちょいちょいトラブってはいたのですが、ここまでのクラッシュはなかったですね(~_~;)
急きょメンテをされて、ログインと書き込みはできるようになったものの。
今度はアクセスカウンターが作動せず。大丈夫なんでしょうかねえ

和服を、粋に着こなしておられましたね。
普段から着ておられるのがよくわかる馴染みかたで。
この本、年齢を問わず楽しめる本だと思います。親子で読めるなんて、いいですね♪
キーブー
2012年10月18日 16:41
あずきねこさん、こんにちは
私も家計簿の下の欄に献立を付けてたことがあるのですが、1年ちょっとしか続きませんでした^^;
その後、一念発起してまたやりだしたはいいけど・・・これは1年も続かなかったし
同じメニューを出しても、文句を言わない大黒柱さん、いいですねえ(*^_^*)
作ってもらう方は、ほんとは文句なんて言っちゃダメですよね。ありがたく食べてほしいもんです(自爆)
キーブー
2012年10月18日 17:01
kemochimeさん、こんにちは
生活そのものを楽しみつつ慈しんでいるかのような作品ですよね。
こういうふうに毎日、ハリを持って生活したいもんです

kemochimeさんもですか~(~_~;)
せっかく入れたコメントも、全然受け付けてもらえないし。どうにもなりませんでしたよね。
今日も、こうしてお返事コメントしててもイマイチ不穏というか、不安定なんですよね。。。
キーブー
2012年10月18日 17:07
もうヘトヘトさん、こんにちは
“昨日の残り”ですか~
私も、献立を付けてたときに書きましたよ、それ(笑)
まあでもそれだけじゃなくて、プラス何か1品は作るようには心がけましたけど。
沢村貞子さんも、残りものを翌日に使っておられます。
でも、それにひと手間かけて、例えば残りの天ぷらを翌日軽く煮つけたりなどしておられますね

昨夜はまたクラッシュしてたみたいですけど、そのなかを果敢にコメントしてくださったんですね。ありがとうございます(*^_^*)
今夜は落ち着くといいのだけど・・・でも、今の時点ですでに少し不穏な感じが。。。

キーブー
2012年10月18日 17:10
ねこのひげさん、こんにちは
はい。書き込みもできるし落ち着いたようですけど・・・おかしいですよね^^;
アクセスカウンターはリセットされたままだし。。。

ひとりぶんだと、作るよりは買ったほうがバラエティに富んだ食事ができますもんね。
そうですね。これからは鍋物がおいしい季節だし・・・あれは一度にいろんな栄養素が摂れるし。お勧めですね(*^_^*)
キーブー
2012年10月18日 17:18
kokoさん、こんにちは
この記事も、書いた当日にはupできなかったんですよね。とりあえず頑張ってなんとか保存にこぎつけたのが精一杯のところでした(~_~;)

義務感じゃ続きませんもんね。楽しんで献立日記をつけておられたのが、すごくよく伝わってきました
“恭彦死亡”と、ひときわ濃い筆跡で、きっぱりと書かれていたそうです。
その時の心情は、いかばかりだったか。気の毒に思う反面、うらやましくもあります。長いあいだ、夫婦睦まじく暮らしておられたのですから。
この本、きっとkokoさんも楽しんでいただけると思いますよ。お勧めです(*^_^*)
キーブー
2012年10月18日 17:22
まるおおさん、こんにちは
おお、なんてこと!まるおおさんのせっかくのコメントが消えてしまったなんて~!

そうなんだよね。
淡々とした行間からにじみ出る人柄&季節の移ろい。
読んでて楽しくなるよね♪
目からウロコの、料理情報もあったりするし。私もそういう本やブログ、大好きなんだよね(*^_^*)
2012年10月22日 01:15
私の中では東京っていうか江戸の人そのもののイメージの女優さんです。
シンプルで潔い。
そして、毎日を大切にされていることが伝わってくる献立。
憧れです。
日記だけに、書いてない時期…リアルですね。
キーブー
2012年10月22日 17:31
なおみんさん、こんにちは
きっぷの良い江戸っ子といった感じですよね。粋な感じ♪
女優さんとしても忙しく毎日を過ごしておられたのに、ごはんを手作りされて、こまめに掃除をして。
それを気持ちの張りにして、老いてもしゃんと背筋を伸ばして暮らしておられる様子に、憧れますよね(*^_^*)

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