戦国武将の本当にあった怖い話。




私がふだん読む本は、ほとんど図書館で借りたものだと以前にも
言いましたが。

そんな私が、珍しく年末に3冊まとめて本を買っていたんですよね


面白そうだったので、正月に読もうと思って買ったものの。

いつものことながら、欲張って借りまくっていた図書館本に時間を取られ、
3冊すべて読み終わったのは、2月に入ってからのことでした(^^ゞ

まず、そのうちの1冊を紹介いたします


楠戸義昭 著  『戦国武将の本当にあった怖い話』


このキャッチーなタイトルに魅かれ、手に取った怪談好きな私ですが(笑)

パラパラとめくってみたところ、信長の比叡山焼き討ちであるとか、家康が
やむを得ず妻子を殺した話や小谷城の落城など、ほとんどがある程度
知っているエピソードばかりで、いわゆる怪談話などはほとんど無し

ちょっとあてがはずれたなあ、なんて思いつつ さらにめくってみたところ、
私がまったく知らなかった話がひとつありました。


福島正則の嫡子・正之に嫁いだ家康の養女、満天姫(まてひめ)の話
なのですが。

著者は、この福島家の悲劇に、豊臣秀吉がいったんは世継ぎと決めた秀次
を、秀頼の誕生後にその妻妾とともに虐殺したエピソードを重ねて見ています。

というのも、福島正則もかつての秀吉と同じく嫡子に恵まれず、姉の子の
正之をもらいうけ跡継ぎと定めて、そこにめでたく徳川家から満天姫という
嫁をもらったのですが。

それらすべてがととのった後で、なんと実子が生まれるんですよね。

普通なら正之との養子縁組を解消すれば済むことなのですが、嫁が徳川家
の姫とあっては、それもかなわぬこと。

正則はだんだん正之をうとんじるようになり、そのために精神を病んだ正之
との間に深い溝ができ、とうとう正則は正之を謀反の罪を着せて殺して
しまうのですね。


寡婦となった満天姫は、一子・直秀をつれて徳川家に戻るのですが。

その後、福島家は違う理由で改易となり、正則の実子も若死にして、
お家は潰えてしまうのですね。



その後、満天姫は津軽家に再嫁することになります。

直秀も連れては行けたものの、もちろん津軽家の世継ぎにすることはできず、
藩主の舎弟扱いとなり、有力な家臣の元に婿入りすることに決まるのですが。

成長した直秀は、本来なら福島家を継ぐはずだった自分が津軽家の家臣に
なるのはあまりにも無念だとして、江戸表に出て福島家の再興を願い出たい
と言い出します。

そうなると津軽家に迷惑がかかるのは必至で、悪くすると取り潰される
おそれもあるということで、母の満天姫はずっと引き止め続けるのですが、
直秀はまったく聞く耳をもたないのですね。

明日はとうとう津軽を発つというその晩。

思い余った満天姫は、直秀を毒殺してしまいます。


その後、津軽家は無事に側室の生んだ男の子が継ぐのですが。

なんとその側室は石田光成の娘。

家康の娘・満天姫は、実の子を殺してまで、三成の孫を守ったことになるの
ですね。


なんというか、因縁の輪が何重にもまとわりついたような、昏い話で
ありますね(~_~;)



そのほかにも、たった13歳で、自害した父の介錯をし、攻めてきた敵兵に
その首を投げつけ、血みどろになって戦った娘の話もありました。

彼女の名は伝わってないのですが、黒木家永という武将の娘で、武勇に
優れており、城の天守閣に立てこもったときは家永の家臣はみな討ち取られ、
この末娘ひとりだけが付き従っていたのだそう。

普通なら、父が娘の自害を見守ってやってから自分が死ぬと思うのですが。

この娘をよっぽど頼もしく思っていたのか、家永はなんと自分の介錯を娘に
命じるのですね。

かわいそうに、この娘はそれをやりとげ、その後天守閣を上ってきた敵兵の
多数をひとりで倒したのち、その場にくずおれたのだそう。


敵もこの子の勇気に敬意を表し、危害を加えなかったどころか丁重に
姉の嫁ぎ先に送り届けてやるのですね。

その後、世間から称賛されたこの娘には、妻にしたいという申し出が ひきも
きらず、良縁を得て男子ふたりの母になったのだそう。


まあ、結果的にはこの娘の人生は思いがけず開けた形になったのですが。

これは稀有な例。


かの有名な大阪・夏の陣のときは、非戦闘員の女子どもが多数、犠牲に
なったのですね。


夏の陣の前には冬の陣がありましたが、私としてはこの二つのいくさは
大阪城周辺のことだけだと思い込んでいたのですが。

とんでもないことで、徳川軍は大阪の町にもなだれこんできたのですね。

死者は十万人にも及び、当時のイギリス商館員の手紙には12万人が虐殺
されたとも書かれています。


いやはや、とんでもない数字ですね。

大阪城へは、ずっと前にいちど花見に行ったことがありますが。

この事実を知ってしまうと、もうそんな気にもなれないです(~_~;)



最初、この本を手に取ったときは、おどろおどろしい怪談話を期待していた
私でありますが^^;

幽霊なんかより、戦争時の人間の方がよっぽど恐ろしいです


近頃のシリア情勢も、酷いことになっておりますが。

いくら年月が経っても、人間というものは根本的には変わらないものなのか
と、暗い気持ちになります。


日本でも、首相がいろいろと動いておられますが。

どうか二度と戦争だけは起こさないように、お願いしたい次第です。



戦国武将の本当にあった怖い話 (知的生きかた文庫)
三笠書房
楠戸 義昭

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この記事へのコメント

2014年02月08日 01:31
今の若者の『右傾化』に抵抗感がないのはなぜなんでしょうね。
日本も40年前には、連続企業爆破事件などテロがありましたからね。
憲法9条にノーベル平和賞を実行委員会‎もあるけど、これからの日本はどのような道をあるんで行くのやら
2014年02月08日 07:37
時代物には疎いのですが 昔大河ドラマで放映していた春日の局に 福島家のことが詳しく語られていたので 福島家の悲劇のことは少しだけ覚えています。
戦国時代は 武士だけでなく その時代に生きた人たちみんなが戦闘に巻き込まれたんですね、
今は平和な時代だけど これからの日本も戦争に巻き込まれそうな嫌な気配が漂っているような気がして不安です。
ひまわり
2014年02月08日 13:08
ただ、ただ、黒木家娘が助かって
よかった!という感想です。
情けをかけた敵も立派でしたね。
13歳なんてまだ子どもなのにさぞ
辛かったでしょうに…
戦国時代と違って江戸時代は大半の
武士が刀を一生抜くことがなかった
といいますから皮肉なものですね。
(これもびっくりですよね)

キーブー
2014年02月08日 17:48
もうヘトヘトさん、こんにちは
近頃の若者は、日本が右傾化しているという意識もたぶん無いんでしょうね。
戦争の悲惨さを身内からじかに経験として聞いている世代は、私たちで最後だと思うし・・・私にしても、母がまだ幼いころの話でしたしね。
安倍さんの動きは、いろいろと不安な要素がありますよね。日本をどこへ導こうとしているのか。。。このままだとどんどん怖い方向へ行きそうな気がしてなりません。
キーブー
2014年02月08日 17:54
丸みさん、こんにちは
福島正則と加藤清正は、秀吉の子飼いの武将ですよね。関が原では北の政所の指示で徳川方に付いたものの、秀頼が家康に初めて会うときには、しっかり秀頼を守っていたのだとか。奇しくも両家とも、その後取り潰されておりますね。
今の世でも、いざ戦闘となったら女・子どもまで酷い目に遭ってますよね。シリアなど、目を覆うばかりの惨状です。なので、戦国時代などはもっと酷かったでしょうね。町人の首を切って、髪を結い替えて武者の首として褒賞をもらう不届きな者もいたそうです(~_~;)
キーブー
2014年02月08日 18:00
ひまわりさん、こんにちは
子どもといえども、戦闘のまっただなかにいればどんな目に遭うかわからないのに、父親はよくそんなことをしたものですよね。母親はもういなかったのかどうか、まったく触れられてませんが、私が母親なら、烈火のごとく怒るだろうなあ。でも結局、それが幸いして娘の人生は開けるんですもんね。ホントわからないもんです。
四十七士の切腹の折にも、作法などわからないところがレクチャーされたというのを読んだことがあります。それくらい平和だったんですね。
2014年02月08日 21:49
戦国時代って一家が取り潰されちゃうのですから想像を絶するものがあったんだと思うのです。
気の強い女性は行きにくいのは昔も今も変わらないのかもしれませんね。
切腹の作法があるというのが、なんか日本ぽいなぁって思いました。
2014年02月09日 00:18
ぼくは一時期戦国オタクだったのでこのあたりのことは大概読んで知っていますが、人間はなんかの拍子に信じられないような蛮行を犯すようです。その意味で国民感情をいたずらに煽るのは怖いことだと思います。
2014年02月09日 11:06
本に書かれている話から離れますが・・・人間の闘争本能について私が知っていることを・・・。
人類は宇宙に衛星を飛ばすほどに科学の面では進化したのに、戦争の面では全く進化していないのはなぜか?
アメリカの科学者はこう指摘しています。
「ジェラシックコード」が原因であると。
動物に「脳」が出来たのは恐竜の時代以降である。
恐竜は生存をかけて戦い続けた。
そのときに「脳」の一番奥に、「闘う」という本能が印刷された。その後、哺乳類に進化したが、哺乳類の「脳」には、恐竜時代の闘争本能が刷り込まれている。
「闘争本能」は人類の「脳」の一番奥に刷り込まれていて、この部分は理性や知性がいくら進化しても変わらず子孫に伝えられていく。
人類の脳の一番奥に刷り込まれている闘争本能を「ジェラシックコード」という。
どうですか、怖い話でしょう。これファフィクションではないですよ。立派な学説です。私はこの学説を信じますね。
人間から戦争や殺し合いから救い出すことは出来ない
。だから戦争にあらないように、殺し合いにならないように、早め早めに話し合いで問題を解決するように知恵を絞らなければならないのです。
2014年02月09日 11:15
あらら~~
お正月用に買ったけど もしかしたら図書館でも間に合ったかも~~^m^
キーブー
2014年02月09日 20:06
ミルテさん、こんばんは
家が取り潰されてしまったら、自分の一家はもちろん、家来も家族ぐるみで路頭に迷いますもんね。ホント、想像を絶することだったに違いないですね。
切腹は、ただ腹を切るということだけでなく、その所作もちゃんと決まりがあるようで、太平の世になるとそれがわからない武士が増えていたのだそう。それくらい平和だったということで、あながち悪いことでもないでしょうけど。
キーブー
2014年02月09日 20:10
ごろーさん、こんばんは
戦時下の兵士って、ほとんどケモノのようになっちゃうでしょうからね。時代は変わっても、戦争の残酷さは変わりませんね。
国民感情を煽って流れがどっと戦争の方向へ向かったときはもう、止めようがないでしょうね。そんなことにならないよう、日本はこれからが正念場な気がします。
キーブー
2014年02月09日 20:15
あきさん、こんばんは
「ジェラシックコード」ですか。響きからして恐ろしげでありますね(~_~;)
でも、人間は進化して、理性をつかさどる部分もそれなりに大きくなったでしょうから、努力すればその本能を押さえられると信じたいです。
自国は戦争をしないつもりでも、仕掛けられたときに無力では困るからその備えもいるし・・・でもやり過ぎたらそれがまた戦争の原因になりかねないし。難しいところですね。日本はいま、とても難しいところに来ているんじゃないかなあ、内外ともに。
キーブー
2014年02月09日 20:18
まるおおさん、こんばんは
ぷくくっ
痛いところを突くよね~~(笑)
うん。図書館でもよかったのだけど・・・でも、本屋で満天姫のところを立ち読みしちゃったらもう、そのまま後を読まずにはいられなくなっちゃったんだよね。不可抗力^^;
まあでも、すんごく面白かったよ。他のエピソードも退屈なものなどひとつも無かったし。よかったらまるおおさんも、図書館で予約してみてね♪
2014年02月11日 17:59
なぬ?!介錯って、それを職業にしてる人がやるものかと思っていました~! 自害した父親の介錯~?その首をを投げつける~?! 私には出来ないなあ・・・(;_;)韓国史劇に負けてない凄まじさだぬえ~
キーブー
2014年02月11日 21:04
ぬえさん、こんばんは
はい、処刑の場合の介錯は、その道のプロがやると思います。でもこの場合は、いくさのまっただなかで負けて敵に捕らわれるよりは死を選ぶということでやる切腹ですから、介錯は普通、部下の武将がやるんだと思われます。だけどもう身辺にはこの娘しかいなかったようなんですよね(~_~;)
韓国史劇だと、この娘も悲惨な目に遭いそうですが・・・敵軍は彼女に危害を加えず、身内のところまで送り届けたんですよね。なかなかに稀有なことだと思います。
2014年02月12日 20:30
こういう本、大好き!!桐生操著のこれ系シリーズは、同じ様な内容でも「この話は知らんぞ」というのが1話あればもうご購入となります(笑)
戦国ものは好きだから、私もこの本探して買おうかな(^^)
キーブー
2014年02月12日 23:15
miyoさん、こんばんは
お元気そうでなによりです(*^_^*)
桐生操とな。読んだことないけど・・・図書館で検索してみるかな♪
戦国ものって、史実だから結末はわかっちゃいるものの、面白いよね(^O^)
この本、ほかのエピソードも面白かったよ。お勧めの1冊であります

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