雪は、犬小屋の屋根にも降り積もったのか?(^O^)




前記事で、入院中に読んだ本の話をしましたが。

一番はじめに読んだのは、フリーマントルの「消されかけた男」でありました。

それをあっという間に読み終え(何しろほかにすることがないですからね 笑)、
次に手を付けたのは、この作品。


三浦しをん著 『三四郎はそれから門を出た』


三浦しをんといえば、私のなかではもうテッパン。

退屈&ブルーであろう入院生活を、少しでも心地よくしてくれるのはこの人
しかいないということで選んだのですが。

はい。
私の目に、狂いはありませんでした(^O^)


そもそも、このタイトル!(爆)

『三四郎』『それから』『門』は、夏目漱石の作品でありますね

まるで受験生が、試験対策に作った文のようだと思ったんですよね。

ほら、“いい国作ろう鎌倉幕府”とか“鳴くよウグイス平安京”とか(笑)


そしたらやっぱり、案の定。

語呂合わせで覚えようとしたらしいのですが、しをん氏の作かと思っていたら
そうではなく、こう覚えろと授業で習ったのだとか。

「作品名3つくらい、わざわざ文章にしなくても覚えられるよな・・・」と、ご本人も
書いておられました(笑)


さて。

そんなどーでもいいことよりも、ちゃっちゃと作品紹介をしていかないと、
またいつものとおり長くなってしまいますね^^;


この作品、エッセイだけではなく、書評もたくさん含まれています。

その書評がまた、鋭いんですよね。

でもまあ、それは次回に置いとくとして(笑)

家族について書かれたエッセイ部分を、今回は紹介しようと思います


著者は、両親と弟の4人家族。

父親は大学の先生ときいて、なるほど著者の文才はそこから来たのだな、
と深く納得したのですが。

弟も、姉に劣らずかなりユニークな人であるのは、ほかのエッセイでも窺える
ところで、このブログでも以前紹介したことがありましたが。

実はこの弟さん、ひきこもり気味とのことで、就職せずにずっと家にいるのだ
とか。

著者も、いくつか事務職などに就いてはみたもののいずれも数か月しか
続かず、その後古本屋でバイトをしていたのだとか。

普通なら、姉弟ともにそんなふうなら親は悩むと思うのですが。


お母さんは、
「今さらそんな。子どもは、元気でいてくれたらそれでいいのよ」
と、どっしり構えておられる ご様子。

それを著者は、どんだけ子どもに対する期待値が低く設定されてるんだ、
なんて呆れてましたが(笑)


ここまで読むと、なんて素敵なお母さんなんだ、著者は幸せ者だなあ、
なんて思っちゃいますよね

実際、著者がまだ幼少の頃には、お母さんも一緒になって、丸めた新聞紙で
一心不乱にチャンバラに興じていたり。

絵本もよく読んでもらったようで、そのなかの1冊にあった、
「どたまに かざあな あけてやろうか?」
というセリフがお気に入りで、意味もなくしょっちゅう言っていたのだそう
ですが

そうすると、お母さんも、絵本に書かれていたセリフどおり、
「いいえ、けっこうです」
と答えてくれていたのだそうで、それが楽しくてたまらなかったのだそう。

まるで絵のような、ほほえましくて素敵な光景ですよね(*^_^*)

ところが。

このお母さんに、著者は褒められた記憶がないのだとか。

どっちかというと、腹の立つことやらカチンとくることを言われることが多い
らしくて、まあそんなのはどこの母娘でもあることじゃないかなと私は思った
のですが。


ある日。

ふだんは家にこもってマンガばかり読んでいる著者が、うんしょ、うんしょと
ストッキングを穿いて、珍しく外出の支度をしていたところ。

洗濯物を持ってきたお母さんが、いきなり、
「あんた!中年のおばさん体型になってるわよ!少しは痩せないと!」

洗濯物をほうりだして、すごい勢いで詰め寄るのですね(笑)

ムッとした娘が反論するも、
「おばさん体型のままでは彼もできないわけで、あんたは悪循環の泥沼に
沈んでると思うけど・・・。ま、勝手になさい」
と、首をふりふり部屋を出て行ってしまったのだそう。

ちなみに、この日はクリスマス

恋人たちが わらわらと街にわきだしてくるこの日を忌み嫌っているはずの
娘が珍しく出かける支度をしていたとしたら、母親としては、まずは喜ばしく
思うんじゃないのかなあと私は思うのですが(^^ゞ

そんで たぶん、着ているものが似合ってるとかなんとか言うくらいで、
間違ってもおばさん体型だとか、悪循環の泥沼だとかは口にしないと
思うのだけど(笑)


そこを、何も考えず思ったまますらっと口に出すのが著者のお母さんの
性格のようで、どうやらそこが母娘のバトルの原因のようなのですね。

まあそうは言っても、お母さんにも言いたいことは山ほどあるだろうなあ、
なんて思いつつ、読んでいたところ。


このクリスマスの日、著者が穿きなれないストッキングなんぞ穿いていたのは
デートのためではなく、ましてや友達と楽しく遊ぶためでもなく、マンガを買い
に行くためだったのですね(爆)

そら、お母さんも黙ってないわ!って思った私なのでした(^O^)


で、このお母さん。

さすが三浦しをん氏の母だけあって、ものすごくユニークなのですね。

これは、著者のほかのエッセイに書かれていたエピソードなのですが。

ふたりで一緒にごはんを食べていたとき、
「ふうん、そりゃあ『太郎の屋根に雪ふりつむ』だね」
と著者が言ったところ、お母さんが、
「なあに、それ?」
と訊いてきたので、三好達治『雪』という詩だと著者が答えるのですが。


太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。

次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪つりつむ。


「あるんだよ、そういう詩が。しんしんと雪が降るなか、太郎と次郎が
それぞれのおうちで眠っている、っていうの」
と、説明してあげたところ。

「・・・犬?」
と言ったという、お母さん(爆)

犬なわけあるか!
そりゃあ南極にも雪は降るだろうが、犬なわけあるか!

と、全力でツッコミを入れる娘(^O^)


さらに。

タロとジロ=『南極物語』の犬の名前」という、一定以上の年齢の人にとっては
拭い去りがたく植えつけられた「常識」の根深さに驚いたが、我が母の詩情の
なさにも驚きを禁じ得ない。

そう慨嘆しておられましたね(爆)



とっくに消灯時間を過ぎた病院のベッドで、この本を読みつつ必死で笑いを
かみ殺していた私(^O^)

お腹に力が入るもんで、傷が痛んで往生しました(笑)


そしてこの後、退院前日。

病院の談話室の本棚で、面白そうな本を見つけた私。

病院に置くにはあまりにぴったりしすぎていて、恐怖すら感じてしまうほど
の本でしたが^^;

その2冊を、退院前夜に午前2時まで掛かって読了したのですね(笑)


その話は、次回で。。。




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この記事へのコメント

2014年10月18日 00:27
笑える本が良いわよね
映画も、笑える映画が良いなぁ
>「・・・犬?」
こういう笑える話は、どこの家庭にもあるわよね
傷口が、開かなくて良かったわ
2014年10月18日 12:38
いやーロッパさん 明治だよ わかります? 1868年!
キーブー
2014年10月18日 20:23
もうヘトヘトさん、こんばんは
入院には、笑える本がいいですよね
そうですね。私も、映画は笑えるものかアクションものがいいです。
お母さんというのは、基本的に家庭内ではボケ担当なんでしょうか?「おかんメール」って本もありますが、ホント笑えます(^O^)
傷口、マジでヤバかったです。まだ廃液の管も入ってたし^^;
キーブー
2014年10月18日 20:30
seiziさん、こんばんは
え?ロッパ?古川ロッパ?・・・なんのこと?って一瞬思ったものの。
1868年明治元年の語呂合わせだったのですね。やっとわかりました(^O^)
でもそれ、私はまったく聞いたことなかったです。誰も教えてくれなかったなあ(笑)
ひまわり
2014年10月20日 23:08
しをんさんは小説もエッセイも読み
応えありますよね。
家族との葛藤もあったり。
町田には「まほろ駅前…」にちなんで
まほろ横丁とかまほろデッキなんて
あるんですよ。

キーブー
2014年10月21日 16:29
ひまわりさん、こんにちは
私は、しをん氏の作品はエッセイばかり読んでましたが、最近、小説もいくつか読むようになりました
家族との葛藤は、わりに軽く冗談口調で書かれてますが、なかなかそんなものじゃなかったようですね。包丁を持ち出してお母さんに向かったときもあったと書かれていました。
まほろにちなんだ場所、行ってみたいです。
何より、しをん氏のような女友達がいたら楽しいだろうなあ(*^_^*)
2014年10月21日 21:48
キーブーさまに触発されて、現在三浦しおんさんのエッセイ、読んでます♪
素敵な作家さん教えていただきありがとうございました。

三好達治のあの浪漫あふれる世界観を一言で破壊するってすごいわ。久しぶりに三好達治もよみたくなりました。

術後は笑うのも大変でしたね。
今はお加減如何ですか?
女性で主婦って無理しちゃう人種だとわたしは信じているので無理してないかなぁ、って思っちゃいます。
ゆっくりゆっくりお過ごしくださいね。
キーブー
2014年10月22日 18:23
ミルテさん、こんばんは
ミルテさんも、三浦しをんワールドに足を突っ込んだのですね(^O^)
お仲間が増えて、嬉しい限りです(*^_^*)

私は、詩はあまり知らないんですよね。なんでかあまり手に取ることがなくて^^;
そんな私でも、この詩は知ってましたからね。このお母さんの詩心のなさは、ちょっと驚くほどでありますね(笑)

はい。それはもう、ゆっくりゆっくりというか・・・タラタラタラタラ過ごしております(笑)
『術後』という葵の印籠があるので(笑)、こんなことも許されてきたのですが、いかんせん、もう術後1ヵ月になり、そろそろこの印籠の威力も衰えてきました。。。^^;

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