サラダ好きのライオン。




数日前のこと。

図書館の棚に、この本が置いてあるのを見つけてしまいました


村上春樹 著 『 サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3 』



村上春樹のエッセイに大橋歩の挿絵が付いている、この『村上ラヂオ』
シリーズも もう3作目。

前作2冊は、うちの本棚にちゃーんとあるんですよ

なので、これも文庫になったときに買って読もうと思って、ずっと我慢して
いたのだけど。

見つけちゃったんですよね、図書館で^^;


そんで、ちょっとだけと思って手に取って読み始めるともう止まらなくなって、
本を棚に戻すことなど到底できず

とうとう、借りて帰ることになりましたとさ(~_~;)



んで、そんなにまで面白いその中身は、というと。

まず目にとまったのが、『 ブルテリアしか見たことがない 』 と題された章。

外見が貧相で、けっこう年も取っている結婚詐欺師の男がいて、その男が
そんな見かけなのに なんで何人もの女性をだませたのかと いぶかしむ人
に向かって、
「あなたは、女ってものをまるでわかっちゃいませんね。ひとりの相手としか
結婚してないせいですよ。生まれてから、ブルテリアしか見たことがないと
したら、犬について何を知ってるといえますかな?」
なんて言ったというところから、このタイトルになったのですが(^O^)


村上さん自身も、まだひとりの女性としか結婚したことがない 『 ブルテリア
しか見たことがない 』 無知蒙昧なひとりではあるけれど、として、それでも、
女性全般について長年抱いている説があるのだとのこと。

その説というのが、
『 女性は怒りたいことがあるから怒るのではなく、怒りたいときがある
から怒るのだ 』
なのだそう。

一部、抜粋しますと。

男性はおおむね “ こうこうだから怒る ” という筋道があるけれど、女性は
違っていて、ふだんは特にめくじらを立てるでもなく穏やかに過ごしている
ことでも、それが怒る時期に たまたま当たっていれば怒るし、それもかなり
真剣に怒って、俗にいう “ 地雷を踏んだ ” みたいなことになってしまう。

なので、その時期は おとなしくサンドバックになって、無法な台風が過ぎ
去るのを待ち、風がやんだら、そろそろと頭を上げて慎重に当たりの様子を
うかがい、大丈夫そうだと判断したら いつもどおりに鼻歌交じりに適当に
やっていればいい。

でもやがて そのうちに、あれあれ、まずいな、また頭上に不吉な暗雲が・・・
ということになる。


これを読んで、心底 驚いたわたくし

いやはや。

村上さんって、慧眼で、ものごとの機微を 男女の枠を超えて理解されている
数少ない お方のひとりだと私は信じ込んでいたのでありますが。

その村上さんにして、こんなことだったとは(笑)


いやそれ、『 怒る時期に たまたま当たっていたから 』 怒ってるんじゃなくて、
いつも同じ状況で怒ってるんですよ、たぶん(笑)

そんで そのたびごとに、優しく穏やかに軌道修正をし、さりげなく注意など
しているはずなのだけど。

それに気づいてないから、いきなり怒りだしたように見えるんだろうなあ、
きっと(笑)

しかも、何にも理解してないのに、反省してるふうだけ つくろったりするもん
だから、次にまた同じことになって、どエライこと怒られるという(爆)


これを読んで、私はもう きっぱり幻想は捨てることにしました。

男と女が わかりあえることなど きっと無いに違いない(爆)

脳のつくりが まったく違うんでしょうね。

それはもう、人種が違う以上に違うんだろうなあ。。。(遠い目)




あと、分かり合えないといえば、もうひとつ。

『 岩にしみいる 』 と題された章なのですが。

これは、いわずと知れた芭蕉の句でありますね。

  しづかさや 岩にしみいる 蝉の声



でも、虫の声に聞き惚れたりするのは日本人だけらしくて、アメリカ人などは
ただの騒音にしか思ってない人が多いのだそう。

村上さんの知り合いのアメリカ人は、そもそも蝉を知らなかったのだそうで、
生まれて初めて蝉の声を聞いたのは、成人して、南部に旅行したときなのだ
そうで、
「最初は何の音かわからなくて、近所で送電線が故障して じいじい いってる
のかと思ってすごい怖かった(笑)。 今はもう怖くないけど、でもなにしろ
うるさいバグ(虫)だよね」
なんて言ってたのだそう(^O^)

そんなアメリカ人に上記の芭蕉の句を解釈させたら、と村上さんは想像して
いたのですが。

  
  しづかさや 岩にしみいる 蝉の声

≪ 静かな夏の午後に昼寝しようと思ったのに、バグがやたらうるさくて、
  とても眠れねえ。
  みんなとっつかまえて、岩にごりごり刷り込んでしまえたら、きっとクール
  だろうぜ。 ≫




飲んでいたコーヒーを吹きだしそうになりました。

いやあ、おもしろーい(^◇^)

いかにも、そういうことを言いそうな気がしますよね(笑)


ああもう。

やっぱり、期待以上に面白かったこの本。

買ってきたばかりの、まっさらな状態で手にして読みたかったなあ^^;


でもまあ。

文庫が出たら、また読み直せばいいんだし



サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3
マガジンハウス
村上 春樹

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この記事へのコメント

2016年03月22日 08:51
今 思いついたけど・・・「結婚詐欺師」では 無いけど(ある意味「結婚詐欺師」?)・・・7人(もっとたくさんでもいい?)の女の人と つき合っていて・・毎日 どこかの家で 「ご飯」を 食べさせてもらっていて・・・寝ていて・・・そんな事をしていると「お金がまったくかからず 暮らしている男の人」の話・・・・・「お金」は まったく「要求」しなければ 「犯罪」には ならないけど・・・女の人は「この人と 結婚できると思っている」し でも 「結婚の約束」が 無ければ 「詐欺」には ならない? しかし 微妙に「あなたと 結婚したい!」みたいな「セリフ」を 言っていたりして・・・?
久しぶりに 書いてみようかな?
ひまわり
2016年03月22日 18:39
これ読みたいと思ってるんですよね。
でも読んだかも⁉
記録してないので憶えてないのです。
でも面白いなら何度読んでもいいですよね。
大橋歩の絵も好きだし。
男と女、分かり合えたらいいんですけどね~
左脳と右脳の違いもあるし…
あきさん
2016年03月22日 20:29
誰かの歌にこんな詩がありましたよね・・・♪男と女の間には、越すに越せない川がある・・・・♪
確かにね・・・男と女が互いに誤解しあった状態で、勢いに任せて同棲してしまうのが結婚だ、なんて・・・・あれから45年間も、我が家ではお互いに我慢しあってきたんだ・・・。
ヨッタンの方が我が家の2人より賢かったかな???
2016年03月22日 22:02
へぇ~そうなんや。
ただ単に、虫の居所が悪かったんやって
思ってました(^_^;)
でもよく考えると、そうやもんな。
なかなか悪い癖は直せない、大人になれば
なるほど直そうとしない、これじゃぁ
ダメですね。  肝に銘じます(^_^;)

五感、やっぱ日本人が一番って感じる
事ができました。
でも実際、蝉はうるさいけどね。
キーブー
2016年03月22日 23:41
まだこもよさん、こんばんは
7人と付き合ってて、ごはんを食べて まったくお金がかからず?・・ってことは、すべて女性の負担でってことですか?・・それは、なかなか難しいんじゃないかなあ^^;
生活を共にしてるのにお金を入れないなんていうのは考えられないと思うのだけど。
でも、考えてみれば、そのうえになお お金を引っ張るのが結婚詐欺師ですもんね^^;
結婚詐欺師って、男女ともに、そんなに美男美女じゃなかったりしますよね(笑)
そのほうが、よりリアルな感じがするのかなあ?^^;
でも、ワイドショーなどで犯人の写真を見たりしても、よくまあ こんなのに騙されたなあ、なんて思ったり。ま、自分もその立場になれば わかりませんけどね。ころっと騙されてたりして(笑)

キーブー
2016年03月22日 23:47
ひまわりさん、こんばんは
だいぶまえに出ている本なので、ひまわりさんなら たぶん既読だと思われます
でも、何度読んでも楽しめそうですよね。私は、文庫が出たらちゃんと買って、保存版にしようと思ってます。
男女の脳の違いは著しいものがあるって、発表もされてましたよね。何でも、右脳と左脳の繋がりが女性の方が太いとか何とか。
でも、あの村上さんにして こういうことだから(笑)
男女差、もっと根本的なものがあるんじゃないかなあ。それこそ種が違う、くらいの(笑)
男女が共に生きていくには、わかりあおうとするより歩み寄ろうとすることの方が大事な気がします。
・・・って、離婚してる私が言うのもナンですが(爆)
キーブー
2016年03月22日 23:55
あきさん、こんばんは

>男と女の間には、越すに越せない川がある・・♪

ああ、なんか そういう歌があったような気がします(笑)
私が想像するに、その川って、もんのすごく深くて、しかも向こう岸が見えないほどに幅も広そう(爆)
結婚生活45年でいらっしゃいますか。すごいですね
私の方が賢かったなんて、そんなことはないです。
半世紀を生きてきて、人生のパートナーすら見つけられなかったんですから。これって、生きていくうえでの、かなり重要なミッションだと思うのですが^^;
でもこのミッション、私にとってはもう文字どおり『ミッション・インポッシブル』。今生ではどうも無理そうなので、来世に持ち越しとなりそうです^^;
キーブー
2016年03月23日 00:05
りーにんさん、こんばんは

>ただ単に、虫の居所が悪かったんやって思ってました(^_^;)

男性はそんなふうに思ってるんですね。ちょっとびっくりでした(笑)
そんで、村上さんまでそうなら、これはかーなり絶望的状況だなあ、なんて思ったり(爆)
でもまあ、細かいことに逐一気づいて、こまやかな心配りをしまくる男性っていうのも、また違った意味でしんどそう^^;
じゃあ、どうせいっちゅうんや、って言われそうですね
・・・適度に、こまやかな心配りをしていただけたなら幸いかな、と(爆)

そうですね。クマゼミはたしかに騒音レベルだと私も毎年思ってますが。
他の蝉はそうでもないかな。夏の風物詩って感じで、わりに好きです。ひぐらしや つくつくぼうしとか、懐かしい感じがして大好きです
2016年03月23日 02:23
>男と女が わかりあえることなど きっと無いに違いない(爆)
良くわかりました

>しづかさや 岩にしみいる 蝉の声
確かに、吹き出しそう

これから、海外からの人に日本の良さをアッピールむずかしいわね
2016年03月23日 22:00
蝉や秋の虫の声は騒音、落ち葉はごみ、って言われて悲しかったことありますw
やっぱりわたし村上春樹嫌いだわぁ、と思った女性論ですわ。村上春樹が理解できないミルテです。どうも感性がねぇ、ずれるのですよ、彼の作品。
そっかやっぱりだめですね。「がんばって読んでみよう!」っていうのやめてもいいかしら?村上春樹w
キーブー
2016年03月23日 23:59
もうヘトヘトさん、こんばんは
男と女の考え方って、ホントにここまで違うんだなあと思った次第です。こりゃ わかりあえるなんて到底ムリだわ、って(笑)
芭蕉の句、陽気なアメリカ人なら まさにこんなふうに解釈しそう。クールだね!って(爆)
でも、ロバート・キャンベルみたいな、日本人以上に日本語やその歴史を理解している外人さんもいますよね
最近の若い人より、海外から来て日本の勉強をしている人などの方が、よっぽど理解してるかもしれませんし。実際、テレビに出ている若手タレントなど、日本で生まれて育ってるはずなのに、簡単な漢字も読めなかったり。驚くような人がいますからね(~_~;)
キーブー
2016年03月24日 00:08
ミルテさん、こんばんは

>蝉や秋の虫の声は騒音、落ち葉はごみ

なるほど。単純で、わかりやすいですね(爆)
あら! 村上春樹は、あまりお好きじゃなかったですか。たしかに彼の小説は、読んでて ちょっとカッコ良すぎだよなあ、なんて思ったりする場面もあったりしますが(笑)
私は、小説全体に漂う なんともいえない空気感が好きです。あと、軽妙なエッセイも。
でもこの人に関しては、好き嫌いが わりにはっきり分かれますよね。あと、よくわからないって言う人も多いし。
たしかに、ブログでレビューを書こうとしても、そのあらすじっていうのがもう、どう書けばいいのかさっぱりわからなかったりもします。でも、その曖昧モコとした感じも、悪くなかったりするんですよね(^O^)
とりあえず、この『村上ラヂオ』シリーズだけでも、一度読んでみられてはいかがでしょう。さらにダメ押しになっちゃうかもしれませんけど(爆)
2016年03月25日 00:55
ノルウェーの森以来、何故か読んでいない村上作品。別に村上さんの作風が嫌いだからではありません。読み出したら夢中になり過ぎて、とにかく夜通しでも読破するまで途中で止められなくなるから(笑)この本、面白そー。ヤバい。あかんて。
2016年03月25日 00:57
あ、ノルウェイの森でした。変換に任せちゃ駄目ですね。
キーブー
2016年03月26日 21:49
うきさん、こんばんは
ホントホント。読みだしたら、いったん止めて他のことをする、なんてことが不可能になります。時間の余裕のあるときに、じっくり読みたいですよね
この本というか、このシリーズは すんごく面白いです♪
大橋歩の挿絵も雰囲気ありますしね。私も、けっこう夜更かしして読んじゃいました。翌日がツラいのなんの。。。
キーブー
2016年03月26日 21:52
うきさん、再びのお越し、歓迎いたします
あら。言われるまで気づきませんでしたよ(笑)
そんで、誤変換にはホント泣かされますよね。でもホント、気づかれただけスゴイです。私なんて、きっと気づいてもいない誤りがたくさんあるんだろうなあ。。。

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