付喪神(つくもがみ)、お会いしたいもんです(*^_^*)
図書館で借りていた本がまた一冊、読み終わりました

畠中恵著 「つくもがみ貸します」
畠中恵さんといえば、「しゃばけ」シリーズが有名で、ブロ友のねこのひげさん
にもお勧めいただいたことがありました。
おもしろそうなので、手持ちの本が一段落ついたら、文庫本を買って読もうと
思っていたところ。
例によって図書館をブラついていたときにこの本が棚にあるのが目にとまり、
我慢できずに借りてしまったという次第です(^^ゞ
さて、この作品。
タイトルからもわかるとおり、いわゆる“付喪神(つくもがみ)”が大活躍する
お話なのですが。
皆さんもうご存じとは思いますが、念のために付喪神について解説しますと。
付喪神とは、長い年月を経てきた道具類に、神や霊魂が宿ったもの。
人の言葉を話し、なかには足が生えて、自分で移動したりするものもいます(^^ゞ
時は江戸時代。
出雲屋という古道具を扱う店に この付喪神がたくさんいて、店先で道具どうし、
ぺちゃくちゃとお喋りをしているのですね。
もちろん人目もあるので、客が来ているときなどは店の中はしーんとしています
が、出雲屋を切りまわしている姉弟ふたりだけになったときに、付喪神たちの
お喋りが始まります。
この出雲屋、古道具を貸し出す“損料屋”と呼ばれる商売をしているため、
付喪神たちはあちこちの家やお店に貸し出されることになり、帰ってきたときに、
今までいたところの噂話などを披露しあうのですね

その噂話に、出雲屋のお紅・清次の姉弟が割って入っても、付喪神たちは
返事をしません。
人間ごときと言葉を交わすなど、誇りが許さぬとでもいわぬばかりに、
黙りこくってしまったり。
それどころか、
「ほらまた、お間抜け清次がうるさいことを言ってるよ」
などと揶揄したりもするのですね(^^ゞ
ちなみに、この姉弟。
実のきょうだいではありません。
お紅の父の弟、つまり叔父夫婦に子どもが無かったため、知り合いから
幼い清次をもらい受け、お紅とは仲の良いいとこ同士として育つのですね。
ふたりが年頃になったころ、お紅の実家が火事でもらい火をして焼けてしまい、
そのときに父親を亡くしたお紅は叔父に引き取られます。
そしてその叔父も亡くなり、ふたりは力を合わせて、ほそぼそと出雲屋の看板
を守っているのですね。
そんなふたりですが。
付喪神の怪異にももう慣れっこになってしまい、勝手に喋らせているのですが。
それでも、彼らのお喋りにときどき耳を傾けては、『蘇芳』という名の古い香炉
の行方を探っています。
この香炉と同じ俳号を持つ行方不明の男性を、お紅はずっと探しており、
清次は心配しながらそれをそっと見守っています。
そして付喪神たちは、とうとう香炉の蘇芳の手掛かりを掴むのですが。。。
さて、同じ蘇芳の俳号を持つ男性は、いまどこにいるのか。
お紅とはどういう いきさつがあるのか。
それを見守る清次は・・・。
あとは、読んでのお楽しみ。
ラストは、すっと胸がすくような思いでした(*^_^*)
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