「スピンク日記」




またまた1冊読み終わりました

町田康著 「スピンク日記」


この町田康という作家、私は名前を知っているだけで著作はまったく読んだ
ことがないのですが。

図書館で見かけたこの本、かわいいプードルの写真が表紙になっていて、
それが目についたので手に取ってみたところ。

耳の下の方をピンク色に染めた愛嬌のある顔つきのこのプードル、小さい
種類の、いわゆるトイプードルだとばかり思っていたのですが、さにあらず。
でっかいスタンダードプードルだったのですね(^O^)



このスダンダードプードルというやつ。
以前、近所で散歩しているのを見かけたことがあるのですが。
その大きさたるや、通行人がみな振り返るほど

大きいとは聞いていたけど、それにしてもちょっと驚くくらいでしたね。

体の毛は短く刈り上げ顔と手足だけがふっさふさで、飄々と踊るような
足つきで歩いておりました。

そばを通るときに好奇心の赴くままにじっと見続けていたところ、犬の方も
負けず劣らずの好奇心むき出しでこっちにぐいぐい近づいてきて、飼い主に
「コラッ!」
と叱られて引き綱をぐいっと引かれておりましたが(笑)

でっかい図体のわりに、かわいらしい感じのヤツでありました



さて。
話を元に戻しまして、この「スピンク日記」ですが(笑)

著者が飼っているスタンダードプードルのスピンクの視点で、犬が喋って
いる体にして日記が綴られております。


ご主人の町田康さんのことをポチと呼んで、弱冠見くびっている感じの
スピンクではありますが(笑)

日記のところどころに挟まれている彼の写真の、かわいくもおもしろいこと。

カメラをちろーんと見つめる目が、いかにもいたずらっ子のようだし、ご主人
のポチの肩に手を載せて馬乗りになっている写真など、まさに勝ち誇った
様子で、
「わははは!」
と大笑いしているかのよう(笑)

いやはやなんとも、表情豊かな犬なのですね(^O^)


おもしろいのは写真だけではなく、ある日の日記など、その冒頭部分から
思わず笑ってしまいました。


毎日、たのしく暮らしているうちに気が付いたら6月になっていて、ああ、
もう6月か。
去年の今頃は主人・ポチを噛んで遊んでいたなあ、今年も少しばかり噛むか。
なんて思っていたら入梅ということになり、雨の日が続いて外に遊びに
行けません。



写真を見ていたら、ホントこんなこと考えていそうだなあ、なんて思っちゃう
感じなんですよね

そんなふうに雨ばかり続いたある日、ふと気づくとなんと雨が上がって、
晴れ間が出ているではありませんか

すかさず、スピンクは行動を開始します。


私は立ち上がり、本を読んでいたポチに向かって、ワンワンワンワン、と
激しく吠えました。
もちろん、散歩に連れて行けと言ったのです。
暫くの間、ポチは しかと をしていましたが、耳元で言うと、
「わかったよ。耳痛いよ」
と言って立ち上がりました。

ヤッター、と私は喜びましたが、ポチの気が変わるといけませんから、ポチが
準備をしている間、ずっと吠えておりました。
キューティーも一緒に吠えました。

では、へっへっへっ、行ってまいります。ワワワ、ワン。




まったく、目に見えるようではありませんか(笑)

犬って、「さんぽ」と言っただけですごく興奮して吠えたてますが、準備をして
いるあいだじゅうずっと吠えてて、
「うるさいなあ、行くのはわかってるのにアホなヤツ」
と一度ならず思ったことがありましたが(笑)

なるほど。
行くのはわかっているけど、飼い主の気が変わらないように吠えていたわけ
ですね(^O^)


ちなみに、キューティーというのは、スピンクの兄弟犬で、劣悪な環境下に
置かれていたところを、著者に救い出された犬なのですが。

スピンクと同じ日に同じ腹から生まれたというのに、キューティーは引き取られ
た当時はスピンクより格段に体が小さく、顔ばかり大きくて手足も異常に細い
うえに、座ったきりの姿勢をとらされていたために歩くことさえままならないほど
に衰弱しきっていたのですね。

劣悪な環境が及ぼした影響は体の発育だけではなく、精神面にも及んで
いて、彼はなかなか情緒が安定せず、絶えずビクついていたのだとか。

そのときの、やせ細って怯えた目をした写真が一枚だけありますが、その後の
写真はどれもスピンクと同じような体躯になって、生き生きとした目つきに
変わっておりました。

キューティー、命拾いをしたのですね



ほかにも、おもしろエピソードが満載のこの本。

犬好きな方なら、とても楽しめると思います。


著者は猫もたくさん飼っておられるのだそうで、猫に関するエッセイもあるよう
なので、それを探して、ぜひ読んでみようと思ってます(*^_^*)


スピンク日記
講談社
町田 康

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