お片付けの時期になりましたね(^O^)
図書館で、またまた面白い本を見つけました

夏目♀ 著 『片付けられない女魂』
この本、表紙がすごいインパクトだったんですよね。
片付ける前の、著者の部屋の写真が表紙になっているのですが。
それがもう、まさに典型的な汚部屋

床が見えないほどに散らかってるのはもちろん、その散らかってるモノの上
に乱雑に積み重ねられた布団がいまにも落ちてきそうだし(~_~;)
それはさておき、まずは著者の紹介からいきますと。
仕事に遊びに呑みにと、フツーにアクティブな30代の独身女性で、
実家住まい。
10年ほど前に母親を亡くしており、姉は嫁にいったので、4LDKのマンション
に父親と一緒に暮らしています。
リビングなどの父親との共用スペースは普通に片付いているのですが、
もともと自分の部屋だった4畳半と姉の部屋だった8畳を使っていて、そこが
汚部屋になってしまっているのですね。
そんなある日、ふと思い立って部屋を片付ける決心をし、その経過をブログに
綴ったのが、今回の本になったというわけ。
それにしても。
妙齢女性である娘のこの生活ぶりを見て、お父さんは何にも言わなかったの
かなあと思ったのですが。
言わなかったみたいですね、これが(笑)
それどころか、このお父さんもなかなかの変人ぶりで、片付け始めた娘が
ゴミを出し忘れたので、勤務先から、マンションのゴミ置き場に出してきて
ほしいと電話したのですが。
お父さんの第一声は、
「ん~・・・外、雨降ってるよね」
雨は降っていても、マンションのゴミ置き場まではまったく濡れずに行ける
らしいのですが(笑)
娘が、下出に下出に出てゴミ出しをお願いするも、うんとは言わない父親^^;
このお父さんには、そこで怒っても仕方ないのだそうで、娘は百歩譲って、
せめてベランダに出しておくように頼むのですが。
ベランダに出るのさえめんどくさいと思ったお父さんは、なんとそのゴミ袋を、
風呂場にツッコんでしまうのですね(爆)
著者が帰宅したときには、使用済みの風呂の湯気でいい具合に蒸らされて
発酵したゴミの臭いが風呂場に充満していたのだとか

そんなふうに、父親が非協力的とまでは言わないまでも積極的に助けて
くれるわけではないので、全部自分ひとりでやらざるを得ず、十年のあいだ
貯めこんだモノの多さに ときとして挫折しそうになったりもするのですが。
でも、著者はこんなふうに考えて、気力を振り絞るのですね。
自分の強い意志や血の滲むような努力が一瞬で無になる時がある。
無にしなければいけない時がある。
歯を食いしばって涙を堪えて諦めなくてはいけない時がある。
だから。
自分の部屋にいる時ぐらいは諦めないでいようと、自分の意志と努力だけで
どうにでもできることなのだから、諦めないで片付け続けようと、最近強く
思っている。
なんというか・・・やればできる子?(爆)
いやホント。
たぶん、モノを溜めこみ始めた時期がちょうどお母さんを亡くした時期と
重なっていることもあり、きっといろいろしんどいことがあって、ギリギリな
精神状態で頑張っていたんだろうなあ。
三十路に入り、心の整理も段々についてきたところで、片付けようという気力
が湧いてきたのだなあと思い、心のなかで応援しつつ読んでおりました

それはいいのだけど。
途中、私がひそかに危惧していたことがあったのですが。
はい。
やはり、汚部屋ならではの虫が姿を現すのでありますね

その名も、ヒメカツオブシムシ。
幼虫は、まんま小型のウジでありました(~_~;)
ひー

これはさすがに、私は見たことなかったですが。
著者の部屋では、その数はまだ少なかったのですが、本格的な汚部屋とも
なると大発生していたりもするのだそうですよ(~_~;)
さて、そんなこんなを乗り越え。
彼女は、ほぼ1年近くを掛けて、仕事と両立しつつ頑張って片づけを
やり遂げるのでありますね


その後に綴られた『おわりに』と題された後書きを読んだとき、意外な事実に
不覚にも涙が出そうになりました。
お姉さんの部屋であった8畳間を片付けているときに、そのお姉さんの荷物
がたくさん出て来るシーンがあり、著者もそれを淡々と片付けていたので
ありますが。
実は、お姉さんも亡くなっていたのですね。
お母さんが亡くなったあと、嫁いだお姉さんが発病し、子どもを生んだら命を
縮めることになるにもかかわらず出産をしたのですが。
無事に女の子を生んだものの、そのあと何年も経たずに亡くなったのだとか。
亡くなる直前の一年間は、著者はお姉さんにつきっきりだったそう。
だから、お父さんもあえて何も言わずに、黙って娘を見守っておられたの
ですね。
腑に落ちると同時に、それらのつらい体験を乗り越えて生きてこられた著者に
共感を覚えるとともに、娘を持つ母親としては、抱きしめてあげたい気持ちで
いっぱいになりました。
彼女の勇気と健闘に、心からの称賛を送りたいと思います。
いやあ、強いなあ(*^_^*)
そして・・・面白い!(^O^)
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