死後の世界はあるのか?!




かねてから読みたいと思っていたこの本、図書館で予約して取り寄せて
いただきました


エベン・アレグサンダー著 『プルーフ・オブ・ヘブン』


以前 テレビでも紹介されたことがあるので、ご存じの方も多いかと思いますが。

現役の脳神経外科医の臨死体験ということで、大きな話題になりましたよね。



著者のエベンは、ハーバード・メディカル・スクールに在籍する脳神経外科医
で、臨床医としてはもちろん、研究者としてもトップクラスの人であり、
その世界では名の知れた有名人なのですね。


そんな彼も、手がけた患者やその家族から、臨死体験をはじめとする、
いわゆる不思議体験の話を聞くことはあったものの、多くの医師と同じく、
死に瀕した脳がもたらす夢のたぐいだと考え、聞き流していたのですが。

54歳のある日、それまで風邪くらいしかひいたことのなかった彼が、いきなり
髄膜炎に冒され、危篤状態になるのですね。


前日まで 何の異常もなく元気だったのに、ある朝、急に耐え難い頭痛を
感じて目覚め、すぐにけいれんを伴う昏睡状態に陥ってしまったのですが。

このとき、彼の髄膜からは大腸菌が発見されています。


これって、幼い子や、あるいは脳の手術を受けたばかりの人などには見うけ
られることがあるものの。

成人で、しかも手術を受けていないにもかかわらず発症することは非常に
まれであり、また、発症して数日意識が戻らない場合は、90パーセント以上
の致死率となり、運よく恢復しても植物状態になることは免れず、もとどおり
の状態に恢復した例はただの1例もないのだそう。

それなのに。

なんと彼は1週間以上 意識不明状態にありながら、意識を回復しただけでは
なく、発症前の健康な状態に戻っているのですね。


これだけでも驚きなのですが、それだけではなく。

彼は、死後の世界を見てきたと発表し、世界を驚かせたのでありますね。


そもそも、科学者というものは、この手の話には かかわるのも嫌がる人が
多いですよね。

かのエリザベス・キューブラー・ロスにしても、あれだけの功績を残しながら
も、晩年は 「オカルトに足をとられた」 などと言われ、不遇だったし。


信じざるを得ないような体験を見聞きしても、科学者たちは周りから白い目で
見られキャリアを失うのを恐れて、口をつぐむ傾向にありますが。


この人は、勇気を持って自身の体験を発表したのですね



彼は、一流の脳神経外科医として、自身の体験をも ちゃんと検証しておられ
ます。

よくいわれるように、死に瀕した脳が大量に放出するエンドルフィンによって、
夢や幻覚を見たのではないかということが、まず考えられることなのですが。


でもこのとき、彼の脳は言語など高次機能をつかさどる新皮質の部分が
ほとんどやられて機能していない状態で、機能していたのは呼吸などを
つかさどる原始的な部分だけだったとのこと。

ならば、この状態で、現実味のある色彩豊かな幻覚を見るなどということは
理論的には不可能であると考えられるのですね。

ほかにも、科学者らしくあれやこれや検証を述べておられましたが。

ま、難しいことは私のような門外漢にはさっぱりわからなかったものの、
とりあえず、トップクラスの脳神経外科医が検証して、あの体験は幻覚などで
はありえない、という結論に至った、ということだけはわかりました(笑)



それと、彼がこの体験が夢でなく真実であると感じたのでは、いわゆる
『お迎え』 に来てくれた人が、見知らぬ女性であったこと。


意識不明だったとき、彼は目覚めると闇の中にいて、近くには恐ろしげな
生きものの気配や声などがきこえ、自分は何者なのか、どうしてこんなところ
にいるのかといったことすらわからない、アイデンティティを失った状態にあり、
ただミミズの目をもってして、周囲を見ていたのだそう。

ただ、こんなところに居てはいけない、と思ったときに、天井に裂け目ができ、
そこから眩いほどの光が落ちてきて、彼は上へ上へと吸い上げられるように
登って行ったのだそうですが。

そこで迎えてくれて、その後、別世界を見るときにも いつもそばに いてくれた
その女性に、まったく見覚えが無かったのだそう。


この体験が、よくある夢のたぐいであるならば、お迎えも、よくあるように先に
亡くなっている家族であるはずですよね。

実際、彼は、すでに亡くなっている父を心から慕って尊敬しており、この種
の体験をするなら、きっと父が姿を現すはずだと思っていたのですね。



じつは、彼は赤ちゃんの頃にアレグザンダー家に養子に迎えられており、
両親は養父母なのですね。

姉と彼だけが養子で、下の妹ふたりは実子。

でも両親は子どもたちを分けへだてせずにかわいがって育てており、養子で
あることも、上のふたりには幼いころから話して聞かせていたとのこと。

「おまえは、選ばれてこの家に来たのだよ」

そんなふうに言い聞かされていたエベンは、養子であることに引け目など
感じずに のびのび育ち、のちには父の後を継いで、父と同じ脳神経外科医
になっているのですね。


そんなふうに幸せに過ごしてきたこともあって、実の家族のことを調べてみよう
などとは一度も思わなかったそうですが。

息子が、学校の課題で家系について調べており、父が養子であることを
知っている彼は、父の実の家族について調べてみたい、と言い出したのだ
そう。

そこでエベンは、はるか昔に養子縁組を取り計らってくれたコーディネーター
と連絡をとるのですね。


エベンが養父母から教えられていたのは、実の両親はまだ16歳と17歳の
高校生カップルで、子どもを育てていくのは不可能だった、ということだけ。

なので、なんとはなしに、きっと両親は別れて暮らしているのだとばかり思って
いたのですが。


両親はその後 無事に結婚を果たし、3人の子宝にも恵まれている、という
思いがけない事実を知らされます。

ならば、自分だけが家族から離された、ということになりますよね。


衝撃を受けつつも、そういうことなら会ってみたい、と申し出た彼に返ってきた
返事は、
「少し前に、娘 (エベンには妹にあたりますね) を亡くしたばかりで心の整理が
ついていないので、今は無理だ」
というものでありました。


そんなことがあって、自分でも意外に思うほど心理的に動揺してしまっていた
のだそうですが。

危篤になり、臨死体験をしたのは、ちょうどこのころだったのですね。

そして、この臨死体験のあいだじゅう、彼は言い表すことのできないほどの
深い愛情に包まれているのを感じて、感動するのですね。



その後、もとどおりに恢復したエベンは、もういちど養子縁組のコーディネー
ターと連絡をとり、実の家族との再会を果たすのですが。

そのときに、会うことなく亡くなった妹のベッツィの写真を見て、臨死体験の
ときに迎えに来てくれた女性であることに気づき、驚愕するのですね。




この本を読んで、私がいちばん印象に残ったのは、危篤状態の彼が体験した
不思議な世界のことだけではなく。

54歳にもなった、世界的に有名な脳神経外科医のエベンですらも、実の両親
に愛されていないと思い込んだ瞬間に感じた絶望が、ただごとでないほど
深刻で、心理的に危機的状況にまで陥った、ということ。


養父母にあれだけ愛されて育てられ、父は亡くなったものの母は健在で、
きょうだい仲も夫婦仲も申し分ないというのに。


そして、実の両親と会ったときに、まだ赤ちゃんだった彼を手放すことをふたり
がどれほど悲しく思って苦しんだかを聞かされ、今に至るまでずっと彼のこと
を忘れたことはなかった、ずっと愛していたと聞かされたときに、エベンが
深くなぐさめられた、というのも印象的でありました。

それだけ、人間にとって愛されるということは大切なことなのだなあと
あらためて思ったことでありました。



この本は、いわゆるキワモノ系では まったくなくて、ひとりの人間の魂の再生
という観点からも読みごたえがありました。

人生は短く、あっという間に過ぎてしまうものでありますが。

それだからこそ、まわりの人間、せめて家族にだけは、ちゃんと愛情を示して
生きていきたいなあと思いました。


それと。

死というものが、いわゆる常識人たちの言うとおりに、ただテレビのスイッチを
切るようなもので、そこで終わり、ただの無だというのならラクでいいのですが。


もし、死んだ後にも世界があるのなら、今から心構えをしておこうとも思った
次第です(笑)



プルーフ・オブ・ヘヴン--脳神経外科医が見た死後の世界
早川書房
エベン アレグザンダー

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