読書と腱鞘炎の因果関係とは。



とうとう読了してしまった京極夏彦さんの本(笑)

図書館で借りて帰る時から重いな~と思ってはいたけれど。

分厚いのは楽しみが長引くということだからうれしいことではあるのだけど、

それにしても、いま測ってみたらなんと厚さが驚きの4.5センチ!

私は肩が凝りやすいのでうつぶせで本を置いて読むのは無理なのです。

なので座って本を持って読むのだけど、マジで手首を痛めそうでした


京極さん、いつもながら面白くて長い物語を書いてくださってうれしいの

だけど、あまりに厚いのは数巻に区切っていただけるとありがたいです・・・



さて、前置きはこのくらいにして。

今回読んだのは「ルー=ガルー(忌避すべき狼)」


舞台は近未来の日本。

街はエリアごとに区切られ、児童の個人情報はデータベース化されて厳重に

管理され、保護者といえども児童のプライバシーに関することには容易に

アクセスできないようになっていて、保護者とは別に暮らす児童も多いし、

親子のきずなも希薄になっているような管理社会。


登場人物の葉月、美緒、歩末(アユミ)の3人の少女たちもそういう社会で

暮らしているのだが、主人公の葉月は無保護者児童と呼ばれる、両親の

いない子ども。

県議の養女という身分ではあるが、通常は一人で暮らして、自室にこもって

学習をし、顔を見たこともないヘルパーが作ってくれた料理をひとりで食べる

ような生活。

でもひとりだからといって放っておかれているのでもなく、養父もメールなどで

こまやかな愛情を示しているし、作られた料理を何度か手つかずにしたり

とか、常備薬を使ったりしたらたちまちメディカルセンターに情報がいくように

もなっている。

でもそんな生活が特異なことではなく、多かれ少なかれみなそんな感じで、

人と直接に接したり外出をしたりすることなく暮らしているのだ。

そのため他人とコミュニケーションを取ることが苦手な児童が多いということで、

特別に“コミュニケーション研修”なるカリキュラムが組まれ、じかに子どもたち

が触れ合う時間を特別に取らなければならないような社会なのだ。

商店は“リアルショップ”と呼ばれ、人と人がじかに会うことは“リアルアク

セス”と呼ばれて、どちらも日常的なことではない。

自室でモニタの前に座れば、どちらもこと足りるのだ。


そんな社会で連続殺人事件が起きる。

それを前述の3人の少女たちと、無登録住民と呼ばれる管理社会から落ち

こぼれた少女の麗猫(レイミヤオ)、亡くなった母親との間にトラウマを持つ

カウンセラーの静江と落ちこぼれ警官の橡が力を合わせて解決していく

物語である。


とまあ、要約すれば以上のようなストーリー。

なにしろ特異な世界で、人はみな“端末”を持ち歩いていつでも必ず繋がって

はいるのだけど、そこに“リアルさ”がまるでないのですね

自分のクラスメートでさえも“リアルアクセス”することが稀なので顔を覚え

てもいないし、葉月と歩末が言葉をかわすときもお互いの顔を観て喋る

のを苦痛に感じたりしているし。

空を見上げてさえ、いつも見ているモニタのフレームがないため、

“スケール感”がつかめなくて落ち着かなかったりする有様。


でもそんななか、連続殺人事件が起こり、身近な人間が被害にあうこと

で、ぼろ布のように切り裂かれて無惨に殺された人間が、モニタのなかの

写真ではなく、自分と同じ、リアルな人間であることを実感するようになる

のですね。

そして自分たちの身も危うくなるなか、みんなで力を合わせて助け合うことで

人間であることの実感を取り戻し、友情を育んでいくのですね。

まあ事件そのものも単純なものではなく、犯人とは別に、ルー=ガルー

(忌避すべき狼)とはいったい誰だったのかが焦点なのだけど・・・、

それはもちろん、読んでのお楽しみ



いやー、読み応えがありましたねぇ

京極夏彦って、歴史ものも面白いですよね。「巷説百物語」とかは江戸時代

だったけど、江戸の風俗が匂い立つようで、はいりこんで夢中で読んだっけ

そう、「巷説百物語」もまた後日ぜひ記事をアップさせていただきます


今回は近未来。実際にはどこにもない世界がとてもリアルで、風景や人物が

目に浮かぶようでした。



京極夏彦。

彼の中にはすごい世界がまだまだ息づいているのでしょうね。

ぜひ長生きしてそれらをすべて活字にして楽しませて下さいね(笑)










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この記事へのコメント

2009年05月25日 12:01
この人の本は読んだことありませんが、先日の映画の紹介といい本の紹介といい、簡潔でインパクトがあってすばらしい
読んでみたくなりますよ。でもそんなに重い本はやだ。
ところで、ブログ開くの軽くなりました。どうしてだったのかなぁ~
2009年05月25日 12:44
Fチェスカさん、こんにちは
キャーッ、またまたFチェスカさんに褒められちゃったぁ!!
ありがとうございます(*^_^*)
んで、開くの軽くなりましたか。よかった~
なんでだったんでしょうね。ネットって、ホントよくわからない世界・・・(~_~;)

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