穂村弘さんって好きだなぁ(*^_^*)

穂村弘さんという歌人をご存知ですか?(*^_^*)

彼の作る短歌は鋭く胸に迫る感じで、素人の私にさえすごいなと思わせる
ものですが、その鋭さと面白さはエッセイのほうでも炸裂しています

40代の独身男性で立派にお勤めもしていて、多分外見的には問題なく
大人なんでしょうに、内面の高校生そのまんまの感性と、自分自身を頼り
なく思っている弱い部分を飾らずにさらけ出していて、すごく面白いです。

今回読んだのは、
現実入門」“ ほんとにみんなこんなことを?” というもの。

独身で、どちらかというと内向的なタイプのため、『人生の経験値』が同年齢
の人たちより極端に低いと自覚する著者が、編集者のサクマ嬢とカップルを
装い、ひとつひとつ経験してみて、それをリポートするというもの。

例えば、献血、モデルルーム見学、占い、はとバスツアー参加、合コン参加、
ブライダルフェスタ見学、競馬体験etc.

毎回、あらぬところで窮地に陥る著者に、ベストタイミングで救いの手を差し
伸べるサクマ嬢を『美しきドラえもん』などと呼びつつ、抱腹絶倒の体験リポ
ートは続くのですね。

なかでもすごく面白かったのは、合コン参加のところ。
サクマ嬢の後輩女性ふたりと、雑誌記者の男性ふたりを呼んで、6人での
合コンとなるのだけど、男性のうちひとりは『JJ』、もうひとりは『フラッシュ』の
編集者。イケメンで話も面白いので、著者はなかなか輪の中に入っていけ
ないのですね。

そうこうするうち、『フラッシュ』君が、もしも将来自分に娘ができたら門限は
5時だと熱く語りだし、案の定、女性陣から不評をかっているのに退かずに
いるところを見た著者は,
「いいぞフラッシュ、暴走しろ。君は合コンの席で女性に気に入られること
よりも想像上の『自分の娘』が思い通りに育つことのほうが重要なんだね」
などと思うのでありますね(爆)

方や、『JJ』くんはミリタリーマニアで、女性陣の興味の有無などには全く
おかまいなしで手榴弾の話なんぞに熱中して、
「ロケットランチャーは1回40ドルで、反動がぐわあああん、ぐわあああん」
などとやっているのを、著者はほくそ笑みながら見守るのですね(爆)

やがて両人とも仕事の疲れも手伝ってか、酔いつぶれてしまうのだけど、
それを見た著者は、
「戦場で眠ってはいけないね。よし。あとはもう、おれだけの花園だ」
なんて思うのだけど。

あにはからんや。

サクマ嬢が仕事について熱く後輩に語りだしちゃうのですね。
どうやら彼女は最近、仕事上で壁に突き当たっていたらしいのだけど。
それを聞いた著者は
「まさか壁って、おれのことじゃないだろうな」
なんて不安になるのですね

お酒の入ったサクマ嬢の語りは熱を帯び、しまいにはTOEIC900点超え
と噂される英語で涙を流しながら語り始め、それを後輩女性たちは熱く
見つめていて、著者の存在は完璧に忘れ去られてしまったという話(爆)

他にも随所で笑いのツボがあるのだけど。
長くなるので、それは読んでのお楽しみ、ということで。

最後に、印象に残った場面をひとつ紹介します。

ブライダルフェアで模擬挙式を見学した帰り。
サクマ嬢と著者の食事風景です。

「サクマさん、誰かにプロポーズされたことはありますか」
サクマさんの目がふっと虚ろになる。
あ、ガラス玉、と思っていると、逆に訊き返される。
「ほむらさんは、誰かにプロポーズしたことありますか」
私の目がビー玉になる。

いいなあ、著者の感性。なんて素敵。

巻末に、著者が付き合っている女性の家に挨拶に行く様子も書かれています。
それも最初のうちは笑って読んでたけど、最後は感動して、ふんわりした気持
ちになりました

ほかにも『世界音痴』、『もうおうちへかえりましょう』など、抱腹絶倒だけど
読後は少ししんみりして、共感を覚えるエッセイがあります。

面白いだけではなく、著者の考え方、感じ方がとても素直で、ときには無防備
ですらあって。

いいなあ。こういうヒト(*^_^*)
でも残念ながら、数年前にご結婚されたようですけど・・・。


出版社:光文社 
定価:1400円







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この記事へのコメント

2009年06月12日 23:35
 穂村弘ってどこかで聞いたな、と思ったら、『にょっ記』を紹介してました。キーブーさんと同じ年でしたね(^^ゞ。
 この本はどこかの書評で読んだ覚えがあって、面白そうだなとは思ってたんですが、『にょっ記』の穂村さんと結びついていませんでした(^^ゞ。
 キーブーさんの感想を読んで、面白さがよくわかりました。読みたくなりましたよ(^^♪。
 ひとつお願いがあります。本の紹介の時は、最後に出版社名や定価を紹介してもらえると助かります(~_~)。
2009年06月13日 11:21
遊哉さん、こんにちは
遊哉さんとこで穂村弘の本を紹介されてたのは覚えてたけど、書名が思い出せなくて、まさかかぶってないよなあと少しヒヤヒヤしつつ記事を書きました(^^ゞ
それにしても面白い人ですよね。まったくしょうのないヒトだなあ、なんて思いつつも好感を持ってしまうのが不思議
でも多かれ少なかれ、誰でもこんな心もとない思いは抱えてますよね、人に見せないようにしてるだけで。

出版社名と定価、最後に入れておきました。参考になさって下さい(^_^)
2009年06月13日 12:29
こういう 匂いのひと 好きですねー なにかのおり 読んでみようーっと!
2009年06月13日 16:34
seiziさん、こんにちは
面白い人ですよね。エッセイは挙げたもののほかにも数冊出ているので、また見かけたら読んでみてくださいね(^^♪
2009年06月14日 01:22
面白い
キーブーさんの文章が×5億

この方まったく知らない世界の人ですね。
でも私が超共感できる人かも~♪
早速Amazonで申し込みました
2009年06月14日 09:35
私もこういうタイプ好きだなぁ。
うちの隊長みたい。
図書館にあるかな。
2009年06月14日 12:42
五十音ジュンさん、こんにちは
気持玉をたくさん、ありがとうございます(*^_^*)
んで、5億!!うれしいです
ね~、なんだか共感できますよね。カッコつけてないとこがすごくよくて。
早速購入されますか。面白いですよ。他にも出てるから、よかったら読んでみてくださいね(^^♪
2009年06月14日 12:48
Fチェスカさん、こんにちは
Fチェスカさんも、こういう人がお好みですか(^^♪
隊長って、あのグリーズリって人かな。彼も面白い人ですよね。Fチェスカさんのブログで登場されるたび、笑わせてもらってます
図書館にあると思いますよ。私も図書館で見つけたから。もしなかったら予約をすれば近くの図書館から取り寄せてくれますし。税金を払ってるぶん、モトを取らなくちゃ。・・・ってか、私の場合、払ってる以上に図書館を利用してますけどね(^^ゞ
Fチェスカ
2009年06月15日 10:05
ちょっとややこしいのですが、隊長はモリリンです。
グリーズリは大御所だけど副長。グリーズリは大きな大会の派遣の時は派遣隊長になります(^^)v

2009年06月15日 19:09
Fチェスカさん、こんばんは
モリリンさんですね、了解しました
Fチェスカさんの周りは素敵な男性たちでいっぱい。うらやましい限りです(*^_^*)

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