岡本綺堂の怪談は、洗練されていますね。


夏と言えば怪談ですよね

怖がりのくせに怪談好きな私(^^ゞ

今年はテレビでもあまり怖い話をやってなくて、寂しいです(笑)

いくら怪談好きとはいっても、この時期にどんどん出版されてるどうでもいいよう
な怪談本では満足できませんよね。
チンケなお話だったり、ただグロいだけだったり。

まあ、怪談とか心霊写真とかは、どうしても似通ってきてしまうから、結局は
どこかで聞いたような話しかない感じになってくるのは否めませんね


なので、こないだ本屋さんで岡本綺堂の怪談本を見つけたときはとても嬉し
かったです。
岡本綺堂といえば、かの有名な「半七捕物帳」の作者。
全7冊を、むさぼるように読んだっけ。
「番町皿屋敷」も彼の作品だというのは、かなり後になって知りました。


今回読んだのは、「岡本綺堂 怪談選集

内容としては、小石川切支丹坂にある青蛙堂主人の住まいを十数人の客が
訪れ、主人の肝煎りによる百物語怪談会が開かれたという体裁で、この本には
そのなかの13編が収録されています。

1、利根の渡

2、猿の眼

3、蛇精

4、清水の井

5、蟹

6、一本足の女

7、笛塚

8、影を踏まれた女

9、白髪鬼

10、妖婆

11、兜

12、鰻に呪われた男

13、くろん坊


綺堂は、明治5年の生まれだからか、この怪談集も江戸時代のものでも土着
の泥臭さはほとんどなく、豊穣な江戸文化の香りを漂わせながらも、新時代の
息吹きを感じさせる、洗練されたものとなっていますね。
おどろおどろしさはみじんもなく、淡々と話は進み、しんしんと怖くなっていく、と
いう感じ

こういう気分って、確かに昔に味わったことがあると思って考えていたのですが。
思い出しました。

まだ子どものころに、小学生向けの「雨月物語」を買ってもらったことがあるので
すが、その話の怖さと、それとは正反対の優しい淡い色遣いの挿絵の本、あれ
を読んだときの気分そのままなのですよね。
あのときは子どもながらに、優れた怪談というものはこういうものなのだなと思っ
た覚えがありましたが。

特に記憶に残ったのは、蛇の精に憑かれる男性の話。
つぼ装束といったと思いますが、旅姿の女性に化けた蛇が、どこまでも追いかけ
て来る話がありましたが、あれは怖かったなあ。
最後はたしか、行きずりの修行僧に封じられるのだったと思うけど・・・。

思い出すと、今でもあのきれいな挿絵が頭に浮かんできますね。
こわっ


閑話休題。
またもや話がそれましたが^^;

上記の13話のなかで、私が一番怖いと思ったのが、「妖婆」です。
これは怪談の季節である夏の話ではなく、しんしんと雪が降り積む冬の夜の
話なのですが。

とある家で歌留多会が催され、そこに招かれてやってきた年若い武士たちが、
来る道筋で雪に半ば埋もれるようにしゃがみ込んでいる老婆を見たことから
端を発した物語です。
その老婆を見たときに取った行動で、結局は各々の運命が決まってしまうの
ですが。

ただうずくまっている老婆。
その上を静かに降り積もる雪。
その横を通り過ぎるときの恐怖感が迫ってくるような話でした{%うれしいwebry%

ほかの話も、どれも甲乙つけがたい味のあるものでしたが。
印象的だったのは、「白髪鬼」。
明治時代の下宿屋での話で、弁護士試験を受けるために勉強している学生
の話。
学生同士の会話がいかにも明治っぽくて、ちょっと梨木香歩の『家守綺譚』を
思い出しました。
あれは“綺譚”とはいえベタな怪談ではなく、ユーモラスな雰囲気すらありまし
たが。
「白髪鬼」のほうは、もう少しドロドロした感じで、人間の妄執が描かれてい
ましたね。


どれも興味深い話ばかりで、いい暑気払いとなりました(*^_^*)

この13話は、選者の嗜好を優先させたもので、ほかにもまだ世評の高い話
があるのだとか。

それをぜひ読んでみようと思っています。
夏が終わらないうちに




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この記事へのコメント

2009年08月21日 13:11
日本の夏にはホラーじゃなくてやっぱり怪談ですよね~ 昔はよくドラマとか講談やってましたね。
でも今年は怪談が似合うような夏じゃなかったけど。うーん タイトルからして怖いな~ 読書の秋に読もうかな
2009年08月21日 17:22
私も恐がりのくせに恐いもの大好きです。幼稚なお化け屋敷も意気込んで入って騒げるぐらいなんですよ(笑)
怪談といえば泉鏡花も有名ですよねぇ。
怪談とはまた違いますが、岩井志麻子さんや坂東眞砂子さんの小説も和の恐怖がありますよ。
2009年08月21日 18:28
五十音ジュンさん、こんにちは
そう、小学生の頃とか、必ず牡丹灯籠とかドラマにして放映してたのに。今はやりませんよね。稲川淳二の怪談くらいで。あの人、話は怖くて面白いけど、カツゼツ悪くて聞き取りにくくてイライラしません?
誰も言わないけど、私だけなのかなあ。

秋の夜長に怪談。いいかも
2009年08月21日 18:35
miyoさん、こんばんは
お化け屋敷は、私はダメです。不意を衝かれてびっくりするというのがダメなんですよね。何と言うか、必要以上にびっくりしてしまうというか、廻りがひくくらい過剰に反応してしまいます(~_~;)
ああ~、泉鏡花。そういえば読んだことないですねぇ。図書館で検索してみようかな。岩井志麻子さんのは本屋で平積みになってましたね。「ぼっけえ、きょうてえ」は怖かったですよね
2009年08月22日 09:13
半七 読んでるんだー また 親しみ増えました キーブーさん
2009年08月22日 12:06
seiziさん、こんにちは
「半七捕物帳」、面白かったですよね(^^♪
seiziさんも読まれてるんだー 私も 親しみ増えましたよ seiziさん

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