「今日、カレーとシチューどっちがいい?」



さて、いつものとおり本屋をぶらついていたところ。

ひそかにずっと心待ちにしていた本が出ているのを見つけました(*^_^*)


銀色夏生 著  「今日、カレーとシチューどっちがいい?」

毎年、1年に2度ほど出ているエッセイ、つれづれノートの18冊目です



内容的には前回の続きという感じで、いつ人生のパートナーに会えるのかな、
とか、いい恋愛をしたい、などというようなことが多く書かれていましたね。

今のところはまだ、出会ってない様子でしたが(^^ゞ


ひとつ気になったのは、宮崎の銀色さんの実家近くにひとりで残されている
小5のさくちゃんのこと。

前回のつれづれノートによると、銀色さんの離婚で、一家は東京から宮崎に
移り住んで家も建てていたのだけれど、銀色さんとしてはやっぱり東京がいい
ということで、強引にまた東京に出てきたのですね。

姉のかんちゃんは外交的な性格なのですぐに新しい環境に馴染んだけれど、
弟のさくちゃんはどちらかというと内向的な性格のためか馴染めず、友だち
関係でもめ事もあって、しかたなくさくちゃんだけ宮崎に帰ることになったの
ですね。

近くにいる銀色さんのお兄さん、さくちゃんにとってはおじさんに当たる せっせ
にいろいろと面倒をみてもらったりしつつ、お母さんである銀色さんも頻繁に
東京と宮崎を往復して、ふたりの子どものフォローをしていたのですが。

さくちゃんとせっせのあいだに感情の行き違いがあり、せっせがもうさくちゃん
の面倒を見られなくなってしまったのですね。


家の中に放置されていたお酒の残りを、せっせがさくちゃんと友だちが飲んだ
のではないかと疑い、親の目のない自宅で酒やタバコをやっているのでは
ないかと一方的に思い込んで、友だちの目の前でさくちゃんを怒鳴って叱って
しまったのが発端のようなのですが。

さくちゃんというのは繊細な、どちらかというとおとなしめの子どもで、これまで
つれづれノートの読者であるというだけの繋がりしかない私から見ても、さく
ちゃんが酒やタバコを親に隠れてやるなどということは荒唐無稽としか
言いようがないな、と思うのだけど。

じっさい、お酒は銀色さんのお客さんが来たときに出したもので、さくちゃん
とは何の関係もなかったし、ましてやタバコなどは影も形もなかったのに。

お酒を見つけたときにまず母親である銀色さんに訊けばよかったものを、母親
に知らせたらおおごとになると思ったからじかにさくちゃんを叱った、とせっせは
銀色さんに説明したようですが。

傷つきやすいさくちゃんはそれきりせっせを受け付けなくなってしまったの
ですね。

せっせという人も、ずっと独身で家のこまごましたことや親の介護などをしなが
ら生きてきた人で、妹の銀色さんも言うとおり、少し思い込みの激しい変わり者
なのですね。

繊細で責任感が人一倍ある人だから、さくちゃんをきちんとみなければ、と
いうので頭がいっぱいだったのでしょうね。

銀色さんも、せっせの好意に甘えすぎてしまった、と言っていましたが。

たしかに、そういう面もあったでしょうね。

 
それで、しかたなく急場のときにはさくちゃんの実父にあたる、イカちん に
宮崎まで行ってもらったりしているのですが。

このイカちんも東京の人なのに、急に言われてすぐ宮崎にとんでくれるという
のもすごいことだと思いますが、宮崎で、まだ小5の息子がひとり暮らしをして
いるのを見て、驚いて、かつての妻である銀色さんに電話で、
「さくをひとりで放置しているの?」
と問いただし、それについて銀色さんはあとで娘のかんちゃんに、
「イカちんのネガティブな言い方で気持ちをダウンさせられた。何も分かって
ないくせに」
などとこぼすのですが。


うーん。

銀色さん的にはそうだろうけど。

世間一般としては、イカちんのような考え方をしてしまうのでは、と思い
ましたね。

イカちんも、離婚のときは過去のつれづれノートで不本意な書かれ方をして、
ずいぶん銀色さんに抗議もしたようですが。


銀色さんのそばにいるということは、良くも悪くもたいへんなことなのだなあ、と
これまでのつれづれノートを読んできた読者としては思いますね。


あと、銀色さんとよくメール交換をしている 虫くん という人がいるのだけど。

けっこう頻繁にメールのやりとりをしているようで、それも、銀色さんからのもの
は内容も手厳しかったりエキセントリックだったり、虫くんがなにげなく使った
言葉に対して延々のダメだしだったりするみたいなんですよね(^^ゞ

これをまた虫くんがちゃんと丁寧に受け答えをしているのを見て、虫くんって
銀色さんのファンなのかな、それにしてもよくずっとこういうめんどくさいことに
付き合ってるよなあ、と思いつつ、ひょっとして編集者なのかな、だったら銀色
さんとはうまくやっていかなくちゃいけないだろうし、たいへんだなと思っていた
ら、やっぱり編集者だったみたいですね。


まあ仕事がらみということだけでこういう付き合いをしているわけではもちろん
ないだろうし、銀色さんの人間的な魅力にも惹かれてのことだろうとは思うけど、
それにしてもなあ、とちょっと後味の悪い感じをふたりのやり取りからは受けて
しまいました。


前の記事にも書いたことですが、人生に対する思いや、日常のふとした瞬間に
感じることなど、共感できることが多くて、それでいままでつれづれノートも全巻
家に揃えて読んできたのですが。

家族、それも子どもに対する現実的な対応とかは、正直私としては首をかしげ
る部分が多いですね。

でもそれらの行動もすべて銀色さんらしいし、彼女なりの正直な気持ちで動い
ているのはよくわかる感じなんですけどね。


抽象的な部分では共感できるのに、現実的な行動はあれっ?と思ってしまう
というか。


でも、個性的に育っていくふたりの子どもたちと、銀色さんの破天荒な行動に
目が離せない感じで、つれづれノートが出るのをいつも心待ちにしている私
です。



それにしても。

銀色さんが宮崎に帰っている間、かんちゃんはお母さんに無断で友だちを家に
泊めていたのがバレて、銀色さんもさすがにそれはショックだったようですが。

さくちゃんもこれから中学生になり、男の子としてはますます難しい時期に突入
するわけで。


うーん。

包容力のある銀色さんのこと、問題が起きてもうまく処理していくのだろうけれど。


心配性な凡人の私としては、大丈夫なんだろうかと正直、思ってしまいますね。。。




今日、カレーとシチューどっちがいい? つれづれノート (18) (角川文庫)
角川書店(角川グループパブリッシング)
銀色 夏生

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この記事へのコメント

りぃー子
2010年07月03日 21:19
ほんとですね、本人にしてみたら「仕方が無い」ということなのでしょうけど、これが許されるのかな?というのが正直な印象。
これで済むなら、子育ては簡単ですが。
といっても、もちろん、無事すくすく育ってくれるといいなと、他人で読者でもない私も、陰ながら願ってしまいますね。
2010年07月03日 21:32
キーブーさん宅の夕飯のメニューがシチューかカレーかと思っちゃいました(^^)
う~ん…家庭それぞれ、家族間の問題とは思っても、やはりまだ子供なのに1人暮らしとはいかがなものかと…批判ではないけど思っちゃいますね。それにいたるまでは親子間で充分話し合いがあり、納得のいく結果なんだろうけど。なんか普通に「学校側からは何も言われないのか?」と疑問に思っちゃいました(^^;)
2010年07月03日 23:00
りぃー子さん、こんばんは
子育て中は、普通なら仕事でどうしても転居しなければならない場合以外は極力同じ所で暮らしますよね(^^ゞ
銀色さんは詩人だし、普通の人よりは感受性も豊かなぶん、我慢できないとなったらほんとにムリなんでしょうけど。
廻りの人は、子どもといえどもそれに合わしていかなければならないのでたいへんでしょうね。
かんちゃんもさくちゃんも、赤ちゃんのころからつれづれノートの写真で見てきているので、このまま元気に育ってくれたらいいなといつも読むたびに思ってます(*^_^*)
2010年07月03日 23:11
miyoさん、こんばんは
この題名、ほんとに普段からよく私がこぶたたちに言ってる言葉そのまんまですね(笑)だって、具材はほぼ同じで、最後にどっちのルーを入れるかですもんね(^o^)
姉のかんちゃんはもう東京で生活の基盤ができちゃってるし、弟のさくちゃんが東京に馴染めないからといって一緒に宮崎に帰るわけにはいかなかったから、ふたりのために東京と宮崎にそれぞれ暮らさせる、ということになり、お母さんの銀色さんはこまめに行き来をしているんですけどね。
でも、そもそものはじめ、東京から宮崎に帰ったのも、その宮崎からまた東京へ出てきたのも銀色さんの発意なんですよね。結果的に2ヵ所に生活の基盤を置かざるを得なくなって。
賛否両論でしょうけど、この件に関しては私も批判ではないけれどでも肯定はできないな、という感じですね。
2010年07月04日 05:29
ねこのひげもキープーさんのことだと思いましたよ。

遠距離かぎっ子ですね。

詩人、小説家、絵描き、音楽家。アーチストと呼ばれる人というのは、思い込み激しい人多いからね。

一般人は思い込み激しいとマツダみたいな事件を起こすけど、アーチストは作品になるわけで。

けっしてよくはないけど、親はなくても子は育つ。かな?
育児放棄だけど、独立心は旺盛になるかな?
2010年07月04日 08:42

似たような話を聞いて、いろいろ思ってたところ。
親はよかれと思っていても、子どもにとっては負担
だったり…
みんな幸せになりたい。
でも、ほんのちょっとの誤解や行き違いが大きな
ズレを生じたり…こういうのは正解が出ないです。
ただチャン
2010年07月04日 11:05
おはようございます。
気分はシチュー!
でもこの時期にはなぁ‥
でも夕飯にカレーは勘弁して欲しいし‥
なんてタイトル見て真剣に考えてたら違ったf^_^;

そうか作り方は同じ様でしかし出来上がりは全く別物。食べ方も別。
共通項は多いけど異質な事を言ってるんですね。

あちゃーコメントになってないm(__)m
2010年07月04日 16:48
ねこのひげさん、こんにちは
この題名は、銀色さんが子どもたちに夕飯のメニューをどっちにするか訊くときに言ったセリフそのままなんですね(*^_^*)
ホント、芸術家というのは変わった人が多いですよね。それがお父さんなら、お母さんが手綱を締めてればいいけれど、お母さんでしかもシングルマザーとなれば、子どもといえども強くならざるをえないというか。
古くは桐島洋子さんの例などもありましたね、そういえば。
過干渉で子どもをスポイルするよりはマシかもしれないですけどね。独立心旺盛な子にはいいけれど、繊細な子だとけっこうキツイんじゃないのかなあ、なんて思ったりもしました(^^ゞ
2010年07月04日 16:52
なおみんさん、こんにちは
そうですね、結局子どものことは親がよくわかってるし、廻りがいろいろ言ってもはじまりませんもんね。親子の相性もあるし。
銀色さんのやり方を批判もできないですよね、その家それぞれだし。でも、自分がそれをやるかと言われれば、ぜったいノーだけど(^^ゞ
2010年07月04日 16:58
ただチャンさん、こんにちは
シチューがよかったですか。でも、暑いですよね(笑)
あれ、夕飯にカレーは勘弁なんですか?なんでかな(^^ゞ

>そうか作り方は同じ様でしかし出来上がりは全く別物。食べ方も別。
共通項は多いけど異質な事を言ってるんですね。

おおっ!深い考察をしていただきましたね(*^_^*)
でもこれ、銀色さんがじっさいに子どもたちに夕飯のメニューを訊いたときに言った言葉そのまんまなんですよね(笑)
でも、“共通項は多いけど異質”というのは、まさに私が銀色さんに感じていることかも。やっぱ、ふかーい!
2010年07月05日 08:09
醤油を入れたら 肉じゃがにもなるよ~ん♪
すごいね 小学生一人暮らし~
小林幸子がそうだったとは テレビで見たけど
ホンと実際問題それは無しだよぉ~~って感じるかな?
まぁ 実際結構イケるんだろうけどね 子ども一人だって…
2010年07月05日 10:12
私は一冊しか読んでいないせいか
姉弟が別々というのが どうも納得出来なかった
のよね。それまでの事情は読んでないですが、
なんとか東京で一緒に暮らすことは出来なかった
のかなあ?
そもそも小学生の一人暮らしは、非常に
危険だと思うよ。何があってもおかしくない
こんな世の中なのに・・。私は怖いです。
2010年07月05日 20:42
すごくいいかげんですが、
そういう時はビーフシチューにしてもらいます(~0~)/
世の中、いろんなことがありますね。
真剣に子どもに向かう親、とりあえず本能で子育てをする親。
放棄する親。...... 現実にも いろいろ....
2010年07月05日 21:15
まるおおさん、こんばんは
なるほど、肉じゃがにもなるね、そういえば(^^♪
え~!小林幸子もそうだったんだ~!知らなかったなあ
ひとり暮らしと言っても、この場合はお母さんも頻繁に東京と行き来してるしね。人んちだから非難がましいことを言うのもなんだから、こういうのもアリなのかも、っていちおうは言うけど。
でも、自分ちでこれをやるかと言われれば、ぜったいありえないよね(~_~;)
2010年07月05日 21:20
みいなさん、こんばんは
そのときの事情と銀色さんの考えで東京と宮崎で行ったり来たりをやっているうち、こどもたちはそれぞれ別々に生活の拠点ができちゃった、ということでしょうか。
さくちゃんが東京の学校に馴染めなくて、でもかんちゃんはもう東京の高校に入っちゃってるしで、こんなことになってしまったようなんですよね(~_~;)
ほんとにね。人んちのことだし、大丈夫だよ、と言われれば、そう?って言うけど、自分の子にはぜったい考えられないですよね。。。
2010年07月05日 21:23
moumou.h53さん、こんばんは
おっ、またまた新メニューですねビーフシチューという手もありましたか。でも、肉をチキンにしてたらちょっと味にコクが足りなくなっちゃいますね(^^ゞ
ああ、銀色さんは本能で子育てしてらっしゃるのかもしれませんね。なるほど。
放棄するよりはいいけど・・・でも、ついていく子どももたいへん。そのぶん成長するかもしれないですけどね。うちのこぶたたちなら潰れてるだろうなあ(~_~;)

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