昼は眠り、夜は目覚め、永遠の命を持つ者といえば。。。




少し前の記事に書いていた、読みかけの怪物の本ですが。

こないだ、無事に読了しました~


ブラム・ストーカー著 『吸血鬼ドラキュラ』


ドラキュラものって、いろんな作品が出版されているし、映画もたくさん
作られていますが。
元祖ドラキュラって、そういえば読んだこと、あったっけかなあ?


図書館で見かけたこの本を手に取りながらそう思い、どうやらこれは
由緒正しいドラキュラもののようなので、気持ちも新たに読んでみる
ことにしました



まず、冒頭。

“ジョナサン・ハーカーの日記”と題されているとおり、彼の日記で物語は
始まるのですが。


このジョナサンというのは今でいう弁護士かなにかのようで、きちんと
法律の勉強をして、資格を取ったばかりの若者。

勤めている事務所がロンドンの土地・屋敷の販売の仲介をしたため、
その事務手続きのためにトランシルヴァニアに住む買い主のところに
派遣されてきたのですが。

その買い主というのが、あのドラキュラ伯爵。


その名前にジョナサンはじめ事務所の所長にも先入観がないところをみると、
どうやらまだドラキュラがまだその悪名をはせる前の話のようですね。


ロンドンからはるばる汽車を乗り継いでやってきたジョナサンが、土地の
宿屋で、明日はドラキュラ伯爵の城に行くと言うと、村人の態度が明らかに
おかしくなるのですね。


宿のおかみなどは、出かけるまぎわに部屋にやってきて、
「旦那さま、あなたどうしてもお出かけになりやすか?どうあっても
お出かけになりやすかの?」
と、取り乱しながら止めるありさま

仕事だし、そりゃ行きますよ、とジョナサンが答えると、彼女は自分の首に
かけていた十字架をはずして彼の首にかけ、いそいで部屋を出ていって
しまうのですね


ほかにも、乗り合い馬車に乗り合わせた客たちも一様に態度が変で、
ジロジロと彼を見ては、やれやれ気の毒に、と言わんばかりの顔で
ため息をついたり。


いやいや~

このへんで、気づけよ、って思ったりもするのですが。

まあ・・・迷信深い田舎の人たちが気味悪がっているからといって、仕事を
放り出して帰国はできませんよね(~_~;)

そして案の定、ジョナサンは窮地に陥ることになります。



ところで、ジョナサンには、ミナという婚約者がいるのですが。

イギリス人にもミナって名前があるの?と、ちょっと不思議に思った私。

ナオミやらリサやら、日本でも通じる名前がいくつかありますが、ミナって
聞いたことない気がするけどなあ、私が知らないだけでそこそこある名前
なのかなあとか考えていたところ。

ウイルヘルミナが本名で、愛称がミナだったんですね。なるほど。

・・・って。

例によってまたそんな枝葉に足を取られそうになっておりますが^^;


話を元に戻しますと。


今みたいにケータイがあるわけではなく、というか電話すらないので、連絡は
もっぱら手紙か電報かで取るしかない時代において、連絡がつかないという
事態は心配ではあるものの、すぐにはどうすることもできないのですね。

なのでミナは、ジョナサンのことを心配しつつも、祈りながらひたすら待って
いるのですが。


そのミナの友だちで、貴族の令嬢であるルーシーにも、ドラキュラ伯爵の
魔の手が迫ってくるのですね。


このルーシーは、美しいだけではなく、無邪気でかわいらしい心根の
お嬢さまなのですが。

そして、ミナも寄る辺ない身の上ではありながら、いじけているところなど
みじんもなく、まわりの人たちに献身的に尽くす美しく優しい女性なの
ですね。


原因不明のままどんどん衰弱していくルーシーを心配して、彼女の婚約者
の友だちである医者が、ヴァン・ヘルシング教授を呼ぶのですが。

そのときはまだ、誰も彼女が吸血鬼に魅入られているとは想像だにして
いなかったのですね。

ヴァン・ヘルシング教授が登場してきたあたりで、事態に希望の光が見え
はじめます。

いやあ、たよりになる爺さまでありますね(*^_^*)



それはいいのだけど。

ルーシーの婚約者である青年が、ミナに対して、
「ルーシーがあなたのことを本当の姉のように慕っていたのだから、私も
あなたをこれからは姉と思いたい」
と言って、なんと
「おねえちゃん」
などと呼びかけるシーンがあるのですが。

「おねえちゃん」って。。。

この婚約者も伯爵の身分であり、その友人たちも含めみんなヒトカドの人たち
なので、それなりの教養のある話し方をしていたのですが。

いきなり、おねえちゃん。

うーん。

訳者としては、親密感を出したかったのでしょうけど。

この場合は姉上か、せめて姉さん、くらいのほうがよかったんじゃないの
かなあ。


翻訳というのは、言葉を知ってるだけじゃダメで、センスというものが問われ
るのじゃよ、おわかりかね、と思いながら巻末にある訳者の履歴を確認した
ところ。

早稲田大学英文学科中退、はまあいいとしても。
小泉八雲作品集12巻完成により日本翻訳文化賞受賞、とありました


・・・なるほど。
大口をたたいて、本当にすんませんでした

振り上げた蟷螂の斧を、しおしおと下ろした わたくし


そっか。大ベテランでおられたのね。

でも。でもでも。

どう考えても、やっぱり違和感を感じるんだけどなあ。



ということで。

物語の本質に触れもせぬうちに、またまた字数が尽きようとしておりますが^^;

古き良き時代のイギリスの雰囲気も感じ取れたし、楽しく読み終えることが
できました。


思えば、ジョナサンが監禁されているあたりで息苦しさを覚え、よっぽど
このまま放り出してしまおうかとも思ったのですが(笑)

頑張って最後まで読んでみてよかったです。

古いお話というのは、独特の雰囲気があって趣き深いものでありますね(*^_^*)



吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)
東京創元社
ブラム ストーカー

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この記事へのコメント

2013年09月23日 03:21
大昔に読んだので、記憶が。。。
そういわれるとそのような。。。
また、新鮮な頭の記憶細胞を刺激するわね。
日本の山姥と、どっちが恐いかな
miyo
2013年09月23日 05:56
ドラキュラ小説というとこれですね(^_^)昔のドラキュラ映画で「ノスフェラトゥ」もこれが原作だし、ミナハーカーにヘルシング博士といったドラキュラならではの登場人物もいますし。
「おねえちゃん」にしたのは幼さを醸し出したかった…とか?小説の方は読んだ事が無いので分からないけど、字で見ると子供や幼さを感じる呼び方だよね。大先生ならそんな狙いがあったのでは…あったんだよきっと!うん!そうだ(笑)
2013年09月23日 10:22
キープーさん 本の解説をしてくれて、どうもありがとう。解説というのは、なかなか難しいものなのに,すらすらと淀みなく書けるのは立派な才能です。
今度短編小説を書いてご覧なさい。今は才能を持った人なら一般の人でも小説家としてデビューできる時代ですよ。頑張れキープー!!
ひまわり
2013年09月23日 13:34
ドラキュラは白黒映画をテレビで放映
したのを観たことはあるんですけどね。
原作は読んでないです。
映画でもそうですけど訳でニュアンス
違ってきますからね~
吹き替えでガッカリすることあるので…
「姉ちゃん」はガッカリですよね^^;

2013年09月23日 14:04
完読おめでとうございます!丁寧な解説ですね。今頃なんですが、これはイギリスの小説だったんですね!史実のドラクラ伯爵を思って、てっきりルーマニアの小説だと思っていました。映画はイギリスだったような気がします。ドラキュラ役は、ピーター・カッシングとか、クリストファー・リーとか、いい役者さんいましたね!(^^)! ホラーやオカルトは苦手ですが『吸血鬼モノ』は、映像が格調高く美しいので好きです。レ・ファニュの小説『吸血鬼カーミラ』が原作の映画『血とバラ』も大好きです ブラム・ストーカーのアレを記事にして下さってありがとうございました♪
キーブー
2013年09月23日 16:18
もうヘトヘトさん、こんにちは
ヘトヘトさんも、お読みになったことがあるのですね
日本の山姥の話も怖いですよね(^O^)
小僧さんを食べようとして3枚のお札をまかれたり、何も知らぬ旅人を親切に泊めて、夜中に包丁を研いでたり
児童書に、白髪を振り乱した挿絵がついてたっけ。小さい頃に怖いなあと思ったその絵、今じゃ寝起きの私の姿そっくりだったりしますが(笑)
キーブー
2013年09月23日 16:27
miyoさん、こんにちは
ヘルシング教授はともかく、ミナ・ハーカーもお馴染みの登場人物でしたか。私はまったく記憶になかったなあ^^;
以前読んだものを忘れてるのか、もしくは読んでないのに読んだつもりだったのか(爆)・・・脳というのは、まったくもってアマゾンのジャングルのように深く混沌としたものでありますね(自爆)
登場人物たち、婚約してたりするような大人ばっかだし貴族たちなので、みんな礼儀正しいヒトカドの人たちなんですよね。なのに「おねえちゃん」。。。関西では、西川きよしの娘が「うちのパパが昔つきあってたおねえちゃんが」なんて言い方をテレビでしてたりするんで、なおさら私は違和感を覚えてしまったんだよね(笑)
キーブー
2013年09月23日 16:34
あきさん、こんにちは
お褒めいただき、ありがとうございます(*^_^*)
自分のブログだし、思ったままをかけばいいのでタラタラと好きなことを書きましたが(^^ゞ
肝心の内容紹介はしてないも同然だし、主要な登場人物以外にも面白い人物がいて、それも紹介しようと思っていたのに、すっかり忘れてしまってたし。
すでにある作品に対して感想を言うのは簡単だけど、無から物語世界を生み出すのはとても難しそうです。面白そうでもありますけどね(笑)

キーブー
2013年09月23日 16:39
ひまわりさん、こんにちは
おねえちゃん・・・やっぱどう考えても、ないわ~~(笑)
まあでも、そんな枝葉のことばっかり書いてしまってる私も、ないわ~~、ですけど(自爆)
ドラキュラ映画、昔からたくさんありますもんね。
最近じゃ「トワイライト・サーガ」。あれはホント美しい吸血鬼でしたよね(*^_^*)
でも、この作品の中のドラキュラ伯爵は、“鼻持ちならないほどの生臭い口臭”があるのだとか。ゲロゲロ
キーブー
2013年09月23日 16:45
ぬえさん、こんにちは
巻末の解説で、『吸血鬼カーミラ』についても触れられていました。これは私、読んだことないです。女吸血鬼が主人公なんですか?面白そうですね
そう。トランシルヴァニアはルーマニアだけど、そこからドラキュラ伯爵がロンドンに出張ってきて、話が始まるのですね。霧深いロンドンの夜。吸血鬼が似つかわしい感じですよね。
んで、私としては吸血鬼にはそこはかとないロマンを感じていたのですが。
この作品では、ドラキュラ伯爵はお口が生臭い吸血鬼なんですよね。血ばかり飲んでるからなのかな^^;
2013年09月25日 17:06
吸血鬼ドラキュラは本もDVD(古いのではなく、比較的新しい方)を見ましたが、怖いけどなんか魅かれるというか、興味深い作品ですよね。
「おねえちゃん」は…ちょっとイヤ、大分この作品の雰囲気にそぐわないなあ。
やっぱり「お姉さま」でしょ~。
でもただ自分の婚約者の友人だからと言って、友人が姉のように慕っているからと言って「お姉さん」とは呼ばないなあ。
いまいちそのルーシーの婚約者の気持ちは理解できないです。
また読んでみたいな、ドラキュラ。夜は無理ですけどね(汗)
キーブー
2013年09月25日 20:07
のっぽさん、こんばんは
ドラキュラ、最近は、怖い系よりは耽美系の作品が多いですよね
登場人物たちは貴族の令嬢・令息が多くて、礼儀正しい感じ。親愛感を抱くと、家族のように仲良くなるんでしょうね。
あら、ドラキュラも、夜に読むのは無理ですか?(^O^)
私は、ドラキュラなら夜中にひとりでも大丈夫です。ロンドンかルーマニアでなら無理かもしれないけど、日本ですからね。さすがにここまでは出張ってこないでしょう(^◇^)

2013年09月27日 06:37
>ウイルヘルミナが本名で、愛称がミナだったんですね。なるほど。

ということは、キーブーさんなら  ブーさんですか!(^^)!
オイラはドラキュラより狼男がいいですね。平井さんのウルフガイシリーズなんてよく読みました。変身願望かな。
キーブー
2013年09月27日 18:09
moumoupapaさん、こんにちは
ブーさんだと、真っ先にドリフの高木ブーが浮かんじゃいますね^^;
例によって、こういうどーでもいい部分が気になってしまう私です(笑)
ああ、男性なら断然、狼男でしょうね
でも、満月の夜に変身する際、みんな苦しそうですよね。変身するたびにあんなに苦しまなくちゃいけないというのは・・・ちょっと、再考の余地がありそうです(笑)

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