家の中にいきものがいると楽しいですよね(*^_^*)




動物が好きな私は、よくネットで犬猫のおもしろ動画を観たりするのですが

人間と仲よしの彼らの姿は、本当にかわいらしく いじらしくて、飼い主が
うらやましくなっちゃいますよね(*^_^*)


幼い子どもにリードを引かれて散歩する大型犬など、子どもの歩幅に合わせ
てゆっくり歩き、何度も“ご主人様”であるその子の様子を確認し気遣いつつ
散歩する様子など、ほほえましくてつい笑顔になりますが。


図書館で見つけたこの本も、ちょうどそんな感じの本でありました。

幸田文著 『どうぶつ帖』


内容は、ずっと犬や猫を飼ってきた著者の思い出話から、それを下敷きに
したらしい創作話などで、『犬好き』、『猫好き』、『どうぶつ好き』と、3つの
章に分かれています。


まず、『犬好き』の章から。

ここでとても印象深かったのは“親ゆずりの犬好き”と題された話。

著者が小学校2年生くらいのときに、自分の犬として初めて父親から、
アカという名の雑種犬を与えられたのだそう。

元は野良犬だったせいか、ちっとも馴れなくて、馴れないなりにも外出には
ついてくるといった犬だったのですが。

ある日、おつかいの途中で運悪く闘犬用のブルに出会って、ケンカになって
しまったのだそう。

相手は闘犬で、こちらは雑種の野良あがり。

勝負は見えていたかに思えたのに、アカは血を流しながらも決して退かず、
そんなアカを著者は子どもながらに夢中で声を振り絞って応援したのだ
そう。

そしてなんと軍配はアカにあがったのですが。

その帰路、並んで走り帰る道でアカが急にじゃれてきて、一気に仲よしに
なったのだそうな。


なんだか情景が目に見えるようでありますね

幼い日にこんな思い出を持つ著者を、とてもうらやましく思いました(*^_^*)



猫好きの章からは『ふたつボン』という話を紹介したいと思います。

著者は、真っ黒のオス・メスのきょうだいの子猫をもらいうけてくるのですが。

それまでに同じような黒猫の子どもを3匹死なせてしまっていたため、この
2匹はふたつボンと呼ばれて家じゅうの者からかわいがられて育ちます。

ふたつボンはいつも何をするにも一緒で、寝ているときなどは8本の肢と
2個の首がどこが境ともしれず、引きはがすこともできないほどにこんがら
がっているくらい仲がよく、いつも楽しげに遊んでいたのだそう


そんなある日。

家にお客があって賑やかにトランプなどしていたときに、ふたつボンが外へ
出たがり、小用を足してくるだけだろうと思って著者は気軽に出してやるの
ですが。

客が帰ったあと、ふと猫たちがいないことに気づき、
「ふたつボン!ふたつボン!」
と呼んだところ。

きょうだいのオスの方だけが家に入ってきて、暗い庭をしきりに振り返って
いるのですね。


「なんだ!お坊にゃん、ひとりで帰って来ちゃったの?お嬢にゃんをどうして
置いて来ちまったの?いけないお坊にゃんね!」
と声をかけ、
「お嬢にゃん!お嬢にゃん!」
と呼ぶうちに、お坊にゃんがまた出ていき、どうやら迎えに行ったのだなと
思っていると またお坊にゃんだけが帰ってきて、おかしい!と感じた著者は
すぐに外へ飛び出して付近を捜しまわります。

以前、近所の野良ネコに襲われたこともあったため、著者は激しい不安を
覚えるのですが。


なんと戸口のすぐそばに彼女は横たわっていて、見た目には何の変わりも
ないのに、すでに こと切れていたのですね。

慌てて医者に連れて行き、車に轢かれたらしいということがわかるのですが。


よく見ると前肢の爪が割れるほど泥が詰まっていて、どうやらまだ息が
あったときに、家に帰りたい一心で這いずってきたらしいのですね。

その気配に気づきもせず、呑気にトランプなどをしていた自分を責める著者。


その後、1匹だけ残ったお坊にゃんは「ひとつボン」と呼ばれるようになった
のだそう。



私は犬しか飼ったことはないですが、そのときの著者の気持ちは、想像する
に余りあるくらい、よくわかりました。

そうなんですよね。

いきものがいるととても楽しいのですが。

別れのときの悲しさ、つらさときたらもう・・・若い頃でも耐え難く感じたくらい
だから、今またそんなことになったらきっと耐えられないだろうなあと思ったり。

彼らは確実に人間よりも早く死んでしまうし。

ましてや、その死が不慮の死であったりすると、自責の念に潰されてしまう
かも。


それでも、彼らと過ごした時間はとても貴重で輝いていて、一生の思い出に
なるのも事実なんですよね。


この本を読んで、また犬を飼いたいなあと切実に思った私ですが。

このマンションは犬猫鳥獣禁止、となっているのですね。

残念なことであります。



この作品、ひとつひとつの話がとても印象的で、心の琴線に触れてくる
んですよね。

文章も緻密というか、きめが細かい感じで、さすが幸田文だなあ、と感じ
させられたし。


ペットのいる方もそうでない方も楽しめる作品ですので、未読の方はぜひ一度
お読みになってみて下さいませ




幸田文 どうぶつ帖
平凡社
幸田 文

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この記事へのコメント

2013年11月05日 23:31
幸田文と幸田露伴の親子も面白いですよね。
しつけなど。。。
私は、ペットのお手入れが大変で飼えない。
餓死させそう。。。
ひまわり
2013年11月06日 01:22
いい本ですね。お嬢にゃん可哀想…
犬と小鳥とリスにカメ飼ってました。
カワイイですが死なれると悲しくて
泣きながら埋めたものです。
インコは2回とも河原と道で見つけて
捕まえたんですよ。汗。
老後に寂しくなったらまた飼うかも
知れませんね。

以前の記事レスありがとうございました。
同じ街だから会えるといいな\*(^_^)*/
2013年11月06日 06:38
幸田文さんの本 いいですよね 小動物と一緒に暮らしていると 嬉しいことと切ないことの繰り返しだけど でも 嬉しいことの記憶のほうが勝っちゃいます。

前記事で お嬢さんが 楽天のマー君が試合の終わりのほうで当番しないかな?っておっしゃっていたようですが 日本シリーズの最終戦で 田中選手が最終回に登板しましたね。キーブーさんの記事 思い出しちゃいました。
キーブー
2013年11月06日 18:39
もうヘトヘトさん、こんにちは
幸田文は、父 露伴にかなり厳しく掃除の仕方などを仕込まれたようですもんね。「あとみよそわか」、私も掃除の後、気を付けて見るようにしてます(笑)
忙しい人には、ペットも重荷になっちゃいますよね。水もあまりいらない観葉植物などが、生活に潤いをもたらして良いかもしれませんね

キーブー
2013年11月06日 18:45
ひまわりさん、こんにちは
お嬢にゃんとお坊にゃん。ふたり揃って“ふたつボン”だったのに・・・残ったお坊にゃんが“ひとつボン”と呼ばれるようになったというエピソードは、とても悲しいですよね。
犬と小鳥とカメは私も飼ったことがありますが、リスはないですね~。リスを飼ってる子はお嬢だというイメージがありました。さては、ひまわりさんはイイトコのお嬢ですね?
手乗りにしたインコ、窓から逃がしてしまって泣いたことがありましたが・・・ひまわりさんのような方に拾われてたらいいなあと思いました。

こちらこそ、喫茶店のレポート、ありがとうございました。興味深く読ませていただきました
しをん氏に遭遇することがあったら、またぜひ教えてくださいね(*^_^*)
キーブー
2013年11月06日 18:50
丸みさん、こんにちは
ペットって、一緒に暮らしてるともう家族そのもので、飼ってるって感覚ではないですもんね。
寿命が違うからいずれは別れが来るものの・・・後になってみたら、楽しかった思い出がいっぱいですよね(*^_^*)

そうなんですよ。こぶた1号の迷言?が当たっちゃいました(笑)
前日に160球以上も投げた先発投手が、まさか押さえに出てくるとは思いませんもんねえ(^^ゞ
こぶた1号・・・とんちんかんなことをよく言うヤツなのですが、ひょっとして「持ってる」のかな?(誤爆)
2013年11月06日 21:38
どこまでキーブーさんとは本の趣味がかぶるのかしら♪ここ幸田文大好きです。
現在「おとうと」を読んでいます。彼女の部をわきまえた姿勢のいい生き方大好きです。
このどうぶつ帖も気になっていて図書館でチェックしています。
ますます読むのが楽しみになりました。
ほか幸田文のお勧めありますか?
幸田露伴は呼んだことない愚か者ですがw
2013年11月07日 01:00
>水もあまりいらない観葉植物など
私の場合、豆苗の方がいいわ
2013年11月07日 05:49
今は犬
子供の時も犬

でも、猫も2匹
16年、18年って飼っていたことあるんです

絶対読みたい本ですね

キーブーさんとこで結構いい本紹介してもらってます!
2013年11月07日 15:01
断片を聞いただけでも、著者の気持ちが分かるようです。これは良さそうな本ですね。私は犬と猫を同時に飼っていたので、何かと共感するところもあると思います。ペットは亡くなったら可哀想だけど、飼い主が先に亡くなったら、もっと可哀想なので、辛くても最後まで看取るしかないですね~途中で見捨てる飼い主は、そりゃあ辛くないだろうけどねっ!
キーブー
2013年11月07日 19:23
ミルテさん、こんばんは
ミルテさんは今、幸田文にハマっておられるのですね
「おとうと」、有名な作品ですよね。でも私は読んでないんですよ。例によって小説はすっとばして、エッセイばかりあさっていて(^^ゞ
幸田露伴、そういえば私も1冊も読んでなかったです^^;
なんだかなあ。こんなんでよくまあ読書レビューなんて書いてるなあと自分でも思います。。。
キーブー
2013年11月07日 19:25
もうヘトヘトさん、こんばんは
再度のお越し、大歓迎です(*^_^*)
なるほど!「食べられるもの」に限りますよね~(^O^)
豆苗はともかく・・・そう思って植えた茄子もキュウリもゴーヤも、今年はホント不作でした。来年は頑張らなくっちゃ
キーブー
2013年11月07日 19:29
ひばり組らん太郎。さん、こんばんは
らん太郎さんというと、らんちゃん♪
犬がお好きなんだなと思ってましたが、猫も長く飼っておられたことがあるんですね(*^_^*)
16年、18年!
長く飼った猫は人の言葉を聞き分ける、なんてよく言われますが・・・そんなことはなかったですか?(^O^)

この本、読後感はほっこり、そして読みごたえもあるし。お勧めです。
キーブー
2013年11月07日 19:33
ぬえさん、こんばんは
ぬえさんも犬と猫を同時に飼っておられたのですね。私は猫だけは飼ったことないんですよ。母があまり好きじゃなかったみたいです^^;
ああ、そっか。先に死なれるとつらいけど、飼い主が先に死んじゃうほうが悲劇ですよね。なるほど。
子犬のときはよかったけど、大きくなってかわいくなくなったから、なんて理由で捨てる人がいるんですよね。ホント、腹立たしいのひと言。
生きものなのに、玩具と同じに考えてるんでしょうね(~_~;)
miyo
2013年11月09日 21:42
ふたつボンの話を読んだだけで涙目になってしまう(T_T)動物に対しては物凄く涙腺が弱いんだよねぇ。他は非情だけど(爆)
犬は私も飼いたいわ…。犬臭さが恋しいです(笑)カリスマドッグトレーナーの番組を日々観て「こんな問題の時はこう対処するんだな」と学んでいるだけだわ( ̄∀ ̄)
キーブー
2013年11月10日 18:47
miyoさん、こんにちは
志村けんも、動物にはすごく涙腺がゆるいのに女性にはきっぱり厳しいんだってよ。特に別れるときとか(^O^)
犬、飼いたいよね。犬がいるといないじゃ、毎日のハリが違うと思うんだよね。
私も、ドッグトレーナーの番組とかよく観てるけど、叱るときに名前を呼んじゃダメっていうの、それで初めて知ったんだよね。なるほど~、って思ったよ。だから昔飼ってた犬は、名前を呼んでも来なかったんだねえ、って(^^ゞ

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