ミツバチと暮らす四季。




またまた、面白い本を見つけました

スー・ハベル著 『ミツバチと暮らす四季』



突然ですが、『みなしごハッチ』というアニメをご存知でしょうか。

ミツバチの男の子、ハッチが主人公だったのですが。

小学生の頃、私はこのアニメが大好きで、筆箱もハッチの絵が付いたものを
買ってもらったくらい、ハマっておりました(^O^)


アニメだけではなく。

家にあった百科事典で、飽きもせずミツバチの生態を読んでは、その統制の
とれた緻密な生活ぶりに すっかり魅了されていた、小学生の私(笑)


この本は、蜂とその巣をあしらった装丁がとてもかわいらしくて、ハッチ好き
な私の目に留まったんですよね(^^)



まず、著者のスー・ハベルについて。

1935年生まれのアメリカ人で、養蜂を始めたのは30代も後半に入って
から。

ご主人とともに始めたのだそうで、それまでは養蜂とは全く無縁の人生を
送っていたのだとか。

その後、離婚してからはひとりで養蜂を続け、執筆活動もされています。


このヒト、女ひとりで養蜂で食べているだけあって、性格は豪放磊落という
か、肚が据わってる感じ。

それでいて、聡明で細心。


地元の農夫たちには“蜂のご婦人”と呼ばれて親しまれている彼女ですが。

最初の頃は、少々胡散臭くも思われていた様子。


それでも、カフェなどでは自分から農夫の輪の中に入り、一緒にコーヒーを
飲んだり、
「今、あんたんとこの蜂が、うちの仔牛の餌の中に鼻を突っ込んでるんだ
けど」
などという苦情の電話がきたらすぐに駆けつけ、ミツバチは花蜜しか食べない
こと、羽の数がその虫とは違うことなどを指摘し、その虫は蜂ではなくハエの
仲間であることなどを丁寧に説明したりもするのですね。

その後、謝りの電話が来たら、
「こちらこそ。言いにくいことをわざわざお電話下さって、ありがとう」
などと、行き届いた対応をしています。

それらがあるから、閉鎖的な地方の農地においても、仲間に入れてもらえた
のでしょうね(*^_^*)


あと、私が彼女をとても好ましいと思ったエピソードをひとつ。

養蜂にはいろいろとやり方があって、人によっては、蜂蜜の収穫ののちに
蜂に冬越しをさせずにガスで皆殺しにして、翌年は“パッケージ・ビー”と
呼ばれる売りものの蜂一式を買って、それで新たに始めたりするやり方も
あるのですね。

それをやっている人が養蜂家の会合でその話を披露し、ミツバチを越冬させ
ないことで生まれる作業コストの倹約分を提示し、その金銭的利益を算出し
てみせたのだそうですが。

そのとき、それを聴いていた地元の養蜂家のひとりが激怒し、席から飛び
上がってその残酷な経営法を非難したので、著者はすっかり嬉しくなり、
みんなで長いこと彼に拍手を送ったのだそう。

私も心の中で、その養蜂家と著者に拍手を送りました


まあ、養蜂というのは結局のところ、蜂のたくわえをかすめ取っているわけで、
キレイゴトで済む話でもないのですが。

でも、と著者は思うのですね。

真冬に、点在している養蜂場を回って時間とお金を費やすことは、ビジネス
的には何の意味もないし、寒いなか、巣箱を眺めながら急速に冷めていく
コーヒーをすすっているよりも別の過ごし方をした方がいいのかもしれない。
今、私はミツバチを助けているわけではないし、ミツバチも私を必要とはして
いない。

でも。
私にはミツバチが必要なのだ。


この場合の必要とは、生計の手段としてだけではなく、同じ人生を生きて
いく同志としての連帯感のようなものもあるのでしょうね。


読んでいて、なんだかほのぼのと心が温かくなりました



私もミツバチが好きで、その生態などにも子どもの頃から触れていたと
先ほど書きましたが。

そんな私でも、これは知らなかった、ビックリ~!っていうことがいくつか
ありました。


働きバチというのは、それこそ働きづめに働いて、一生の間にスプーン1杯
の蜂蜜を集めて死んでいくのだと私は思い込んでいたのでありますが。

それが、そうじゃなかったんですよね。


ある研究によると、1日に3時間半以上働いたミツバチはいなかったのだそう。
ほとんど何もしないか、あるいは巣の中を「パトロール」していただけ。

それを読んだときは、ホント驚きました。

いやあ、今まで、すんごい働き者だとばかり思ってたんだけどなあ(笑)



それと、女王バチはもちろんのこと、働きバチもみなメスであり、オスは
次代の女王のために数匹だけ生まれ、のちには新女王とともに巣分けの旅
に出るものだというのはよく知られていますが。

もし既存の女王に不幸なアクシデントがあって死んでしまい、次代の女王も
育っていなかった場合。
働きバチの中にまれに産卵を始めるものがあるのだそうです


働きバチというのはメスではあるけれど、幼虫のときに粗末な餌しか与えら
れていないので、生殖能力を失っているのですね。

反対に女王バチはローヤルゼリーだけで育てられるので、体も働きバチより
ひとまわり大きく、生涯にわたって産卵しつづけられるわけですが。


群れの緊急事態だというので何らかのスイッチが入り、働きバチの生殖能力
が復活するのでしょうが。

しかし。

悲しいことに、そこはやっぱり産卵に慣れていない働きバチ。

女王なら、巣穴の中にひとつずつ整然と産卵していくのに、働きバチの
産卵は巣箱を開けたらすぐにわかるくらいデタラメで雑然としているのだ
とか(~_~;)


しかも、無精卵であるため、生まれてくるのはオスばかり。

オスはまったくの無為徒食で幼虫の世話もできないし、花蜜を集めてくる
ような体の構造にもなっていなくて、巣の掃除さえせず、ただタムロして
食べ物をもらっているのだそうな。


なので、ただでさえコロニーは滅びの一途を辿っていて大変なときだという
のに、生まれてくるのはオスばかりなので、なおさら残された働きバチは
悲惨な目に遭うのだそう。

ひえ~

そんなの、まーったく聞いたことなかったですね。

悲しすぎる。。。


ほかにも、いろいろと驚いたことや面白く思ったこともあるのですが。

きりがないので、このへんにしときます。


あとは読んでのお楽しみですね♪



最後に。

離婚を経験しながらも、女一匹、凛として生きている著者に、このうえなく
シンパシーを覚えていた私でありますが。

途中、著者が大学時代の男友達と裸で川を泳ぎ、カヌーを漕いだなどという
記述があり、あれれと思っていたところ。

訳者のあとがきで、著者が50代に入ってから、その友人と再婚したとの
情報が。


・・・そうですか

なんだか少し、裏切られた気分(誤爆)


まあでも。

よかったですね。お幸せに(^◇^)




ミツバチと暮らす四季
晶文社
スー ハベル

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